賞金シード当落選上の香妻琴乃「私が見ているのは、そこじゃない」 (4ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

「今は、スイングプレーンがよくなってきましたし、試合を見ていると、本人も徐々に何かしら手応えをつかみつつあるようです。今季は、あまり休まずに試合に出ていて、疲れもあると思いますが、とにかく実戦で慣れていくしかないんです。若くて、体力のある選手は、試合に出ることで学ぶことがたくさんあると、私は思います。だから、間を置くよりも、練習したことをすぐに実戦で試していくことが大事。そこで、自信をつけていかないといけませんから」

 70歳を迎えて、なおプロゴルファーとして現役を続けている中島プロの言葉には、説得力と重みがある。もちろんそれは、香妻への貴重なアドバイスでもある。

 中島プロからの熱心な指導と温かい助言を受けて、さらなるステップアップを目指す香妻。残り少ないシーズンにおいても、秘める決意は変わらない。

「現状、ゴルフの内容は悪くないんですけど、"いい"という感覚でもないんです。だから本当に、もう少しゴルフがかみ合えばいいなって思っています。賞金ランキングについては、シード権ぎりぎりのところにいますけど、そこは気にしていません。いつも言っていますが、私は優勝しか見ていませんから。

 そのために、今気をつけているのは、どうやったら勝てるかな、と考えすぎないようにすること。『うまくやろう。きれいにやろう』としすぎないようにもしています。1打、1打を大切にしながら、プレーしています」

 香妻が出場できる試合は、現時点では残り3試合。「優勝すること」しか見ていない彼女なら、シード権争いの重圧に負けることはないだろう。それが、最終的に好結果につながっていくのかもしれない。

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