世界30傑の松山英樹「自分にダメだしばかりしていた」 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva

「前半は特にパットがよくて、それでミスをしても踏みとどまれた感じ。後半もミスパットは1回だけ。それ以外は自分の思ったストロークで打てていた。カップ際で切れたり、切れなかったりして外れてしまいましたけど、気にすることはなかった。ほんと、今日はストレスなくラウンドできました。パットが良くなった要因? 練習で自信がついてきたからじゃないですか。すごくいい感じでストロークができているんで」

 2日目もパットが冴えた。ショットはやや乱れていたものの、前半7番では10m近いバーディーパットを沈めるなど、「67」という好スコアを記録。通算4アンダー、首位と4打差の5位タイに浮上した。

「今日もいいパットが入ってくれました。スコアを作る意味では、パットがいちばん大事。この調子を持続して、ショットのフィーリングがよくなってくれば、さらに上に行けると思う」

 しかし3日目、前日まで決まっていたパットが入らず、ひとつスコアを落として15位タイに後退した。この日は、リッキー・ファウラー(25歳/アメリカ)、ヘンリク・ステンソン(38歳/スウェーデン)という人気選手との組み合わせで、メジャー並みのギャラリーが同組に集結。その騒然としたムードの中、松山のパットは微妙な狂いが生じてしまったのかもしれない。

「最初の何ホールかまでは良かったけど、途中からパッティングがおかしくなった。それで、パッティングに不安を持ち始めたことが、ショットにも影響してしまった。パットに関しては、ストローク自体はそんなに悪くなかったと思う。何が悪かったか? 気持ちなのか、何なのか、わからない......」

 大会の順位は落としたとはいえ、フェデックスランキングは3日目を終えて26位。この順位を何としてもキープするために、3日目のラウンド後に松山は2時間半の練習を消化した。

 迎えた最終日、パットの調子は戻っていなかった。14番を終えてスコアをひとつ落とし、刻一刻と変わるフェデックスランキングは31位にまで下がっていた。だが、「このままでは最終戦には進めない」と、ラウンド中にもフェデックスランキングをチェックしていたという松山は勝負を仕掛けた。17番のパー5、ティーショットをバンカーに入れるも、浮島のグリーンに向かって果敢に2オンを狙ったのだ。そして、見事2オンに成功してバーディーを奪うと、18番でもセカンドショットでピン手前2mにつけるスーパーショットを披露。土壇場で連続バーディーを奪って、最終戦への切符を手にした。

「(17番のセカンドは)残り228ヤード。距離的には4番アイアンで届く距離だったし、ライも良くて、(バンカーの)アゴも低かった。ミスしたら自分に力がないだけ、と思って2オンを狙った。いざ打つとなったら、不安な気持ちがよぎったけど、その中でいいショットが打てて良かった」

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