【ゴルフ】松山英樹は青木功、石川遼はジャンボ尾崎である (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 ゴルフを極めていく登り口があるとすれば、それは大きく分けて、ふたつある。ひとつは“スイング・オリエンテーション”であり、もうひとつは“ターゲット・オリエンテーション”である。

 ともかくスイングの精度を高め、完璧なスイングを目指して、そこからゲームを組み立てていけば勝てる、というタイプがスイング・オリエンテーション。逆に、ターゲット・オリエンテーションは、スイングのメカニズム重視ではなく、どう攻めていくかを重要視する。どんな球筋でもなんでも、自分の落としたいところ、置きたいところに、どうボールを落とし、置きにいくか、という組み立てでゲームを考えるタイプである。

「あとはパッティングです」と言い切って、スイングに関しての感想はあまり述べない松山が後者で、パッティングも大切ではあるけれど、むしろスイングに関する感想が多い石川は前者だろう。

 過去の例で言えば、青木功が後者であり、ジャンボ尾崎が前者だった。

 ときとして、前者のスイング・オリエンテーションは“スイング・オタク”に陥りやすい。だから、過剰反応し過ぎて、ゲームとのバランスがとれるまでに時間がかかるのである。今の石川は、まさにその最中にいる。

 松山英樹と石川遼。才能あふれる21歳の若きふたりが、今度はPGAツアーという舞台で顔を合わせることになる。それぞれ、どんなプレイを見せるのか、非常に楽しみである。そしてまた、この良きライバルの活躍が、低迷する日本ツアーの起爆剤になることを期待したい。

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