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メッシを指導者歴2年でなぜ掌握できたのか アルゼンチンをW杯優勝に導いた「捨て駒」スカローニ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【選手時代から「目立たない人」】

「監督としてのあり方は、選手時代にとても似ている」

 スカローニはそう言うが、説明が必要だろう。

 スカローニの現役時代のハイライトは、1998シーズンから2006シーズンまで在籍したスペイン、ラ・リーガのデポルティーボ・ラ・コルーニャだった。当時、デポルはラ・リーガ、スペイン国王杯優勝を果たし、欧州チャンピオンズリーグ出場の常連で、欧州でも強豪の一角の座を占めた。そこで、彼は200試合以上に出場し、アルゼンチン代表にも選出されていた。

 ただ、デポル時代のスカローニは主力とは言えない。ずっとジョーカー的存在、いや正確には「便利屋」というべきか。各ポジションに有力な選手が揃うなか、ケガや不調などで離脱したとき、一時的にポジションをカバーした。左右のサイドバック、左右のサイドハーフなど"使い勝手がいい"選手だった。目を引く技術はなく、特別に速くもなく、高さもなかったが、堅実でしぶとく戦えたし、文句を言わないので重宝された。

 驚くべきことに、選手時代から「目立たない人」だったのである。

 筆者はスカローニの現役当時、バルセロナ在住で、デポルの中心選手、ファン・カルロス・バレロンとは個人的な親交もあり、デポルは一番取材を多く重ねたチームだった。他にフラン、ジャウミーニャ、ドナト、マウロ・シルバ、ヌールディン・ナイベト、ジョルジュ・アンドラーデ、ジャック・ソンゴオなどインタビューした選手も多い。しかし、スカローニとは挨拶をする程度で、レコーダーを向けたこともなかった。

 正直に言えば、ほとんど印象に残っていない。

 ただ、チームメイトの評判は「出場できる保証もないのに、あんなにたゆまず準備ができている選手はいない」とすこぶるよかった。また、強化責任者も「スカローニのような選手と契約できたのが幸運だった」と絶賛していた。その真面目さと敢闘精神を評価したからこそ、外国人選手ながら主力でなくても契約を更新し続けたという。

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