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サッカー日本代表が問われるのはアジアでの順位でなく世界での順位 アジア大会の「実力差」に思う

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

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連載第109回
杉山茂樹の「看過できない」

 アジア大会の初戦で、大岩剛監督率いるU-21日本代表は、U-23香港代表に2-0で勝利した。後方に陣を取り、ゴール前を固める香港に対し、一方的にボールを支配。スコアこそ2点差だが、支配率では70%超を示した。文字どおりのワンサイドゲーム。両者にはいかんともしがたい実力差があった。

"日本代表"の試合を観戦するのはワールドカップ以来となる。オランダ戦、スウェーデン戦、ブラジル戦はいずれも接戦で、4-0で勝利したチュニジアも、選手個々の能力では日本と差はなかった。ワールドカップでサッカーの醍醐味をたっぷり堪能したあとに、こうしたアジアの格下を相手に楽勝する姿を目のあたりにすると、これは強化につながる試合なのかとの疑問が湧いてくる。無駄な時間を過ごしているようで、逆に心配になる。

U-21日本代表を率いてアジアカップを戦う大岩剛監督 photo by Masato FujitaU-21日本代表を率いてアジアカップを戦う大岩剛監督 photo by Masato Fujita このアジア大会に、ほとんどの国がU-23の編成で、かつオーバーエイジ枠を使用して臨んでくるのに対して、日本はロサンゼルス五輪出場を目標に掲げるU-21の編成で臨んでいる。今年1月に行なわれたU-23アジアカップも同様だった。その設定で臨み、優勝を果たした。アジアにおいては、この世代でも日本が実力上位にあることは明々白々。これは戦う前からわかっている事実である。

 とはいえ運が結果に及ぼす影響が3割あるとされるサッカーだ。それでも日本が今回のアジア大会で優勝できない可能性は大いにある。だが、それはどこまで心配すべきことなのか。

 A代表がワールドカップ予選に臨む時、視聴率を気にするテレビメディアは「ワールドカップ予選は何が起きるかわからない」を常套句に、危機感を煽ろうとする。「絶対に負けられない戦い」のフレーズしかりである。だが、「ドーハの悲劇」で知られる1994年アメリカ大会の予選を最後に、日本はすべて予選突破に成功している。自動出場権のあった2002年大会を含めれば、8大会連続の本大会出場だ。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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