検索

【欧州サッカー】堂安律の移籍金35億円は安すぎる 中田英寿のように日本人が正当に評価される時代へ (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【日本人選手の移籍金最高額は?】

 市場価値はスタッツ、貢献度、将来性、知名度などに基づく評価であり、移籍金はクラブ間の交渉や契約、競争によって決まる実際の支払額だ。必ずしも一致するものではない。それでも、バレバの175億円はまさに桁違いである。

 モイセス・カイセド(チェルシー)、オーレリアン・チュアメニ(レアル・マドリード)、ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)といったワールドクラスのボールハンターは、市場価値が8000〜9000万ユーロ(約138〜155億円)という相場だ。

 佐野のボール奪取能力、1対1の強さ、走行距離などは、すでに世界のレベルに届いている。それなのに2000万ユーロ? ドイツの老舗専門紙『kicker』は移籍金4000万ユーロ(約69億円)と高く評価している。

 日本人選手の移籍金最高額を記録したのは、中島翔哉(現・浦和レッズ)だ。2019年2月、移籍先のアル・ドゥハイル(カタール)がポルティモネンセ(ポルトガル)に3500万ユーロ(当時約44億円)を支払っている。

 ポルトガルで結果を残した中島は当時、ビッグクラブへのステップアップ間違いなしと言われていた。それだけに、カタールリーグへの移籍に誰もが首を傾げた。さらに5カ月後の2019年7月、今度はFCポルトに1200万ユーロで移籍する。謎が謎を呼ぶ展開だった。

 過去の日本人選手なら、中田英寿のことも振り返りたい。2回の移籍でおよそ5000万ユーロを動かしている。1999年にペルージャからローマへの移籍で2169万ユーロ(当時約34億円)、2年後にローマからパルマに移籍した時は2840万ユーロ(当時約45億円)だった。

 特にローマでは、あのフランチェスコ・トッティを刺激するほどの活躍で、2000‐01シーズンには18年ぶりのスクデットに貢献した。ユベントスの息の根を止めたロングシュートは、今でも語り草だ。

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る