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サッカー界の二大スーパースターが10代の「若手」だった頃 ロナウドは快活に語り、メッシの声はとても小さく... (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

 面白かったのは、ふたりの性格がまったく違うことだった。

 クアレスマは非常にシャイな性格でボソボソと小さな声で話し始めた。リスボン出身だが、ロマの血筋で差別された経験もあったらしいが、そんな生い立ちのこともフランクにしゃべってくれた。

 一方、ロナウドのほうは快活というか陽気というか、とにかく明るい青年で、「俺はマデイラ諸島出身で訛りが強かったからさぁ、リスボンに来てからはずいぶんからかわれちまってよ......」といった話を、明るく気さくに語ってくれた。

 取材が終わって僕と編集者がトレーニングセンターの入口で帰りのタクシーを待っていたら、真っ赤なスポーツカーに乗ったロナウドが通りかかり、僕たちを見つけて「オーイ」と手を振って颯爽と走り去った。

 その年の夏に、ツーロン国際トーナメント(現モーリスレベロトーナメント)を取材に行ったらポルトガル代表にロナウドも参加していて、試合前に整列している時に僕のことを見つけて懐かしそうに手を振った。彼にとって、日本人のインタビューを受けたのは初めての経験だったので覚えていたのだろう。

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