プレミアリーグの注目クラブと日本人選手たちの新シーズン 人気解説&実況コンビが見どころを紹介 (2ページ目)
【トッテナムは新監督の手腕に期待】
林 ビック6の最後はトッテナムです。
下田 トーマス・フランク監督はすごく優秀な方じゃないかと思ってるんですけど、どうですか?
林 いいと思います。ブレントフォードでもそうでしたが、相手によって自分たちの戦い方を柔軟に変えられる。相手が持つ時には5バックにして、自分たちが主導権を握れる時には4バックにするなど。
それでスパーズではどういう戦い方をするのかなと思ってプレシーズンを見たんですけど、結構強いなと。やはり守備ではみんなハードワークしますし、プレスバックも速いし、ブロックを作るのも速い。攻撃も絶対後方から全部つなぎましょうじゃなくて、長いボールを入れて拾いにいくのもある。めっちゃくちゃ手堅いんですよ。
下田 アンジェ・ポステコグルー前監督と逆ですね。ロマンチストからリアリストですね。
林 でも、リアリストの中にちょっとロマンチストも入ってるところが、僕はフランク監督のよさというか。リアリストだけにならないです。自分たちが持っている時には、ゆっくりボールを動かしながらできる。
下田 確かに、ブレントフォードの時のトーマス・フランクって、その柔軟な戦い方を志向しているところにすごさがあったんですけど、ひとつ見逃せないのは、あのクラブって補強方針とかがはっきりしていて、チームのスタイルを明確にしてそれに合ってる選手を獲ってきた。監督が使いやすいようなスカッドのなかで、あの結果を出したわけじゃないですか。
でも、スパーズはまた違った枠組みで今のスカッドができているわけで、それを扱った時に同じようにうまくいくのかなっていう疑問があって。
林 それは僕も思います。だからスパーズで自分たちのほうにいい選手がいて、自分たちが主導権を握れた時に、どういうふうな戦い方をするのかは楽しみな部分でもありますね。
自分たちがある程度戦い方を変えないといけないってなっていると、やりやすさもあるんですよ。相手によってこういうやり方をしようと。でも自分たちで主導権を握ったら、自分たちから何をしないといけないとなるから、そうなるとまたチームの作り方が変わるんで。
下田 そうしたなか、すごくわかりやすくたくさん補強してるわけではないと。センターバックも高井幸大とルカ・ブシュコビッチと若い選手をふたり獲ったくらいにしていて。モハメド・クドゥス以外だとそこまで獲っていないですよね。トーマス・フランクは、なんか今のスカッドでも自分が運用できるって思っているのかな?
林 そうだと思いますね。まあ、クドゥスは抜群すぎですから。
下田 じゃあ、今後の補強も注目しつつですね。
林 高井は応援したい気持ちはあるけど、やっぱり簡単ではないですよね。壁は高いですね。
下田 確かに。
林 だってセンターバックにはミッキー・ファン・デ・フェンがいるし、クリスティアン・ロメロもいるんですよ。で、今出遅れちゃったんですよね。
下田 足の裏をケガしちゃったんですよね。
林 でもトップチームで出場してくれるのを待ちたいですね。
下田 必ず出てくると信じて見ていきたいですね。
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