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2026年ワールドカップで大注目! スウェーデン代表の強烈なアタッカートリオ

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

西部謙司が考察 サッカースターのセオリー 
第27回 スウェーデン代表FWトリオ

 日々進化する現代サッカーの厳しさのなかで、トップクラスの選手たちはどのように生き抜いているのか。サッカー戦術、プレー分析の第一人者、ライターの西部謙司氏が考察します。

 かつてはワールドカップで準優勝や3位を経験している、古豪スウェーデン代表が復活の兆し。きっかけは久々に傑出したアタッカーが3人揃ったことにあります。

プレミアリーグのニューカッスルでプレーする、スウェーデン代表のアレクサンデル・イサク Getty Imagesプレミアリーグのニューカッスルでプレーする、スウェーデン代表のアレクサンデル・イサク Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る

【アタッカーに恵まれると強いスウェーデン】

 スウェーデン代表は欧州の古豪と呼ばれる。1938年フランスW杯で4位、1950年ブラジルW杯で3位。1958年は自国開催で準優勝。1948年ロンドン五輪では金メダルを獲得した。ミランで「グレ・ノ・リ」のアタックラインを形成したグンナー・グレン、グンナー・ノールダール、ニリス・リードホルムのトリオが看板選手だった。

 その後、低迷期に入るが1974年西ドイツW杯で復活して2次リーグに進出。この時はラルフ・エドストレームとローランド・サンドベリのコンビが活躍。

 さらにまた低迷期の後、1994年アメリカW杯では3位。トーマス・ブロリン、マルティン・ダーリン、ケネット・アンデション、ヘンリク・ラーションと攻撃陣が充実していた。

 ただ、そこからの低迷は長く、W杯では2018年ロシアW杯のベスト8が最高成績である。ズラタン・イブラヒモビッチという逸材を擁しながら、そこそこ強いという地位から脱していない。

 UEFAネーションズリーグでは2020-21シーズンこそ最強のリーグAに属していたが、2024-25はリーグCで戦っている。しかし、ここにきて復活の兆候が表われてきた。来季はリーグBへの昇格も決まっている。

 スウェーデンは伝統的に堅守のチームだ。統制のとれた守備の3ラインは定規で引いたような機能美を感じさせる。ただし、それだけではなかなか勝ちきれず、歴史を振り返るとスウェーデンが好成績を残すには複数の傑出したアタッカーが必要なようだ。

 現在、久々に傑出したアタッカーが3人揃った。アレクサンデル・イサク(ニューカッスル)、ヴィクトル・ギェケレシュ(スポルティング)、デヤン・クルゼフスキ(トッテナム)のトリオである。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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