久保建英は大舞台に強い スペイン人記者が指摘するバルセロナ戦での驚異的なパフォーマンスを裏づけるデータ (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【バスクダービーに臨む久保】

 ラ・レアルはこのあと11月24日にサン・マメスでラ・リーガ第14節アスレティック・ビルバオ戦が予定されているが、延期となる可能性がある。それは、スペイン東部の洪水被害で延期された国王杯1回戦ホベ・エスパニョール戦が、一度21日に決まったものの、ラ・レアルが代表戦直後の試合で選手が半分以上いないことを理由に日程変更をスペインサッカー連盟に訴えており、その決議を待っている状態にあるためだ。

 バスクダービーはバスク州のスポーツ文化の根幹をなすもので、街の機能を麻痺させるほどの大きなライバル関係がある。ビスカヤ県(※県都はアスレティックの本拠地ビルバオ)では誰もがアスレティックサポーターであり、ギプスコア県(※県都はレアル・ソシエダの本拠地サン・セバスティアン)では誰もがラ・レアルサポーターだ。

 これほどまでに混じりっけのない、生粋なサポーターだけで占められている地域は珍しい。それは、マドリード、バルセロナ、セビージャなどのダービーマッチのある都市や、マドリディスタやバルセロニスタがたくさんいるスペインの多くの街では起こらないことだ。

 両チームのサポーターは友好関係にあるが、ここ最近、少数ではあるがSNSに過激な投稿をするサポーターが出てきて伝統あるバスクダービーの雰囲気を台無しにし、大きな混乱を招く事態も起こっている。

 久保にとってバスクダービーは楽しみな試合となっている。そのきっかけとして、ラ・レアル加入初年度、バラカルド(ビスカヤ県)で行なわれたプレシーズンマッチでのバスクダービーで汚いタックルで痛めつけられた際、ベンチにいた何人かのアスレティックの選手に笑われたことがあった。これは残念で非難すべきことだ。

 それ以来、久保は個人的にそのことを忘れず心の中に留めており、バルサ戦後に「アスレティックと勝ち点2差なので、いい状態でダービーに臨むことができそうだ」といたずらっぽく笑っていた。

 しかし、久保はまだサン・マメスでのダービーでは優れたパフォーマンスを発揮したことがない。FWとしてプレーした初年度は0-2で敗れ、昨季はアジアカップ参加で欠場したため、クリアすべき大きな課題となっている。また、チームも3連敗中である。

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