守田英正が所属するスポルディング・リスボンの本拠地「エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ」~欧州スタジアムガイド~

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

欧州サッカースタジアムガイド2024-2025
15回 エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ(Estádio José Alvalade

 ロンドンのウェンブリー・スタジアム、マンチェスターのオールド・トラッフォード、ミラノのジュゼッペ・メアッツァ、バルセロナのカンプ・ノウ、パリのスタッド・ドゥ・フランス......欧州にはサッカーの名勝負が繰り広げられたスタジアムが数多く存在する。それぞれのスタジアムは単に異なった形状をしているだけでなく、その街の人々が集まり形成された文化が色濃く反映されている。そんなスタジアムの歴史を紐解き、サッカー観戦のネタに、そして海外旅行の際にはぜひ足を運んでもらいたい。連載第15回目はエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ(ポルトガル)。

モザイク調の壁面が特徴的なエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ photo by ロイター/アフロモザイク調の壁面が特徴的なエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ photo by ロイター/アフロこの記事に関連する写真を見る ポルトガルの首都リスボンにある総合スポーツクラブ「スポルティング・クルベ・デ・ポルトガル(スポルティングCP/スポルティング・リスボン)」。そのサッカー部門は昨シーズンも含め20回のリーグ優勝を誇るポルトガル屈指の名門で、今シーズンも開幕から8連勝で首位を走っている。
 
 かつてはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現アル・ナスル)がユースやトップチームでもプレーし、現在は日本代表MF守田英正が在籍している。
 
 クラブの起源は1902年、ふたりの兄弟の発案によるスポーツ・クラブ・デ・ベーラスの設立に遡る。その2年後、内部で何度か意見の対立を起こした後に設立メンバーの一部がカンポ・グランデ・フットボール・クラブを設立し、ジョゼ・アルヴァラーデが会計、フランシスコ・オルタ・ガヴァッツォが幹事を務めた。クラブはサッカーだけでなく、テニスや陸上などにも力を入れていた。

 創設期、アルヴァラーデは「ヨーロッパで最も偉大なクラブに匹敵する偉大なクラブ」にしたいという願望を持っていた。スポーツがまだ発展途上だったが、スポーツの道を切り開くという志に導かれた最初の「スポルティンギスタ」たちは、「努力、献身、献身と栄光」という理想を追求し、スポルティング・クルベ・デ・ポルトガルを設立した。

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著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

【画像】 2024-25シーズン 欧州サッカー注目クラブのフォーメーション

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