サッカー日本代表のチャンピオンズリーグ出場選手をチェック チームに不可欠だった守田英正、南野拓実
チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ第2節。日本人では以下の7人がその舞台に立った。
南野拓実(モナコ)、守田英正(スポルティング)、前田大然、古橋亨梧、旗手怜央(セルティック)、上田綺世(フェイエノールト)、チェイス・アンリ(シュトゥットガルト)。先発しフルタイム出場したのは南野、守田、前田。先発途中交代が古橋、上田。交代出場が旗手とチェイス・アンリとなる。
最も活躍した選手をひとり挙げるならば守田だろう。
PSVとのアウェー戦に、守田はいつものように3-4-3のセンターハーフ的な守備的MFとして臨んだ。ヨーロッパリーグを含め、これまで守田が戦ってきた欧州カップ戦のなかで、この日の出来は一番だったかもしれない。
身体がよく動き、キレていた。視野も広く確保されていた。ゲームメーカー然とした創造性に富むパスを3本決め、そのうちの1本は決定的なラストパスとなった。パスを受けたエドゥアルド・クアレスマ(U-21ポルトガル代表)がGKと1対1になりながら、こともあろうに転倒。守田はアシストを逃したが、90分を通して、マン・オブ・ザ・マッチに選びたくなるほど貢献度の高いプレーでアウェーでの引き分け(1-1)に貢献した。
チームとの相性のよさを感じさせたディナモ・ザブレブ戦の南野拓実(モナコ)photo by Panoramic/AFLOこの記事に関連する写真を見る 南野拓実が臨んだ一戦もアウェー戦。相手は、第1節のバイエルン戦でCL初出場にして初ゴールを決めた荻原拓也のいるディナモ・ザグレブだ。残念ながら出番が回ってこなかった荻原とは対照的に、南野は最後までピッチに立ち、終盤、際どいヘディングシュートも放っている。相手にゴールライン上でクリアされ、得点をマークすることはできなかったが、モナコというチームのなかに、南野がきれいに収まっていることをあらためて証明する一戦となった(結果は2-2)。
先発は1トップ下だが、戦術的交代を経てセンターハーフに回る――という使われ方からも、欠かせない選手であることがうかがえる。特段、目を引くプレーを見せているわけではない。むしろ地味なくらいだが、馴染んでいる。監督や周囲との相性のよさを思わずにはいられない。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。