久保建英が「優れた選手」から「最高の選手」になるために必要なこと 長年見てきたマジョルカ番スペイン人記者の見解
久保建英はラ・リーガ第7節で、日本代表のチームメイトである浅野拓磨が所属する古巣マジョルカとアウェーのソン・モッシュで対戦し、4シーズンぶりとなる日本人対決が実現した(マジョルカが1-0で勝利)。今回はスペインのラジオ局「カデナ・セル」で、長くマジョルカの番記者を務めるアルベルト・エルナンド氏に、同クラブと日本人選手の関係や、久保の成長、浅野の今季のプレーについて言及してもらった。
【マジョルカの日本人選手は浅野拓磨で4人目】
日本人にとって魅力的なカードであるはずのマジョルカ対レアル・ソシエダの一戦は久々の日本人対決となったが、ふたりが出場したのが後半だったため、少し物足りなかったのは事実だろう。
古巣マジョルカと対戦した久保建英 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る ジャゴバ・アラサテ監督に試合前、「違いを生み出せる選手」と警戒された久保は、サイドでの突破力を武器にリードを許していた試合の流れを変えようと奮闘し、浅野はカウンターで相手の不意を突き、ヴェダド・ムリキにいいボールを供給しようとしていたが、どちらのパフォーマンスも控えめだった。
マジョルカは長らくトップリーグにいながら、財政難で衰退した自らを改革し、泥臭くエリートクラブへ復活してきた。この10年間で"ノンプロ"のサッカークラブ(2017-18シーズンはラ・リーガ管轄外の3部に在籍)から、国王杯決勝(2024年)の舞台にまで上り詰めた。
この旅路のなか、大久保嘉人、家長昭博(川崎フロンターレ)、久保建英に次ぐクラブ史上4人目の日本人選手として今夏、浅野拓磨がソン・モッシュ(マジョルカのホームスタジアム)にやって来た。
今季は久しぶりにラ・リーガ1部でプレーする日本人選手が複数になったわけだが、近年、なぜスペインで日本人が減少しているのだろうか。
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著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。