レアル・マドリード本拠地「サンチャゴ・ベルナベウ」100年の歴史 改修後の新システムの数々~欧州スタジアムガイド
欧州サッカースタジアムガイド2024-2025
第5回 エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ(Estadio Santiago Bernabéu)
ロンドンのウェンブリー・スタジアム、マンチェスターのオールド・トラッフォード、ミラノのジュゼッペ・メアッツァ、バルセロナのカンプ・ノウ、パリのスタッド・ドゥ・フランス......欧州にはサッカーの名勝負が繰り広げられたスタジアムが数多く存在する。それぞれのスタジアムは単に異なった形状をしているだけでなく、その街の人々が集まり形成された文化が色濃く反映されている。そんなスタジアムの歴史を紐解き、サッカー観戦のネタに、そして海外旅行の際にはぜひ足を運んでもらいたい。連載第5回はエスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ(スペイン)。曲面状のステンレススチール製の板で覆われたエスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ photo by ZUMA Press/アフロこの記事に関連する写真を見る
9月17日から始まる、2024-25シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ。8月28日までは、昨季の優勝クラブやランキング上位クラブを除いた、欧州各国の王者や上位クラブが本選へ残り7つの出場枠を求めて予選が行なわれている。
2023-24シーズンの覇者であるスペインのレアル・マドリードは当然、前回王者として出場を決めている。今回はそのホームスタジアムである「エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ」を紹介する。過去にチャンピオンズリーグの決勝も4回行なわれている、ヨーロッパを代表するスタジアムのひとつだ。
史上最多の15回のチャンピオンズリーグ優勝を誇り、ユニフォームの色から日本では「白い巨人」とも称されるレアル・マドリード。スペインの首都を本拠地とするクラブは、1895年に学校の教師と生徒によって創設された。2000年代前半はジネディーヌ・ジダン、ルイス・フィーゴ、ロナウド、デビッド・ベッカムなどを擁し「銀河系軍団」(ギャラクティコ)とも呼ばれた。日本では王を意味する「レアル」と呼ばれていることもあるが、初めて「レアル」を授かったのはレアル・ソシエダであり、レアル・マドリードは白い軍団を意味する「ロス・ブランコス(los blancos)」の愛称が一般的だ。
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著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。