パリオリンピック男子サッカー日本代表初戦の地「ヌーヴォー・スタッド・ドゥ・ボルドー」 まるでギリシャ神殿のような外観~欧州スタジアムガイド~ (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

 2015年9月、スタジアムはネーミングライツを採用し、年間200万ユーロ(現在のレートで約3億4000万円)の10年間契約で「マトミュット=アトランティック」という名が使用されることになった。ただ、ボルドーのサポーターの多くが、このスタジアム名に不満を抱いたため、スタジアムの通称を決める投票が行なわれ、元ボルドーの選手でフランス代表としても活躍した「ルネ・ガリス」という名が選ばれた。

 2015年9月、ボルドーでは20年ぶりとなるサッカーのフランス代表戦が行なわれ、セルビア代表と対戦している。翌年のEUROでは、準々決勝を含む5試合の会場となった。

 またラグビーのボルドー・ベグルは普段は本拠地として使用していないが、ビッグマッチなどはこのスタジアムを使用している。さらに2023年ラグビーワールドカップでは予選プール戦の5試合が行なわれ、ウェールズ代表対フィジー代表戦ではウェールズのウィリアム王子も臨席した。

 なお新スタジアムのスポーツイベントの観客動員記録は、3部に落ちてしまったサッカーではなく、2023年3月25日に行われたラグビーのボルドー・ベグル対スタッド・ロシュレで、42,115人である。

 パリオリンピックでは、ヌーヴォー・スタッド・ドゥ・ボルドーでは、男子の準々決勝を含めて、男女合わせて7試合が行なわれる。ラグビーのボルドーは昨季、国内で準優勝するなど好調だが、オリンピックの盛り上がりをきっかけに、サッカーのボルドーもかつての勢いと熱気を美しいスタジアムに取り戻したい。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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