パリオリンピック男子サッカー日本代表初戦の地「ヌーヴォー・スタッド・ドゥ・ボルドー」 まるでギリシャ神殿のような外観~欧州スタジアムガイド~ (2ページ目)
2016年EURO(欧州選手権)がフランスで開催されることが決まり、その会場の候補のひとつとして挙がっていたシャバン=デルマが老朽化していたため、ガロンヌ川左岸に新しい多目的スタジアムを建設することを決定した。
デザインと設計は、ドイツ・ミュンヘンのアリアンツ・アレナや北京オリンピックスタジアムなどを担当した世界的に高名なスイス人建築家ジャック・ヘルツォーク&ピエール・ド・ムーロンにより行なわれた。
「柱の森」をイメージし、白い柱で支えられたスタジアムは、台座のように見える階段が柱の間に取り囲むように配置され、古代のギリシャ神殿のようにも見える外観が大きな特徴だ。グラウンドと観客席の間に、機械設備からVIPルームに至るまで、すべての施設を収納するくさび形の空間を設けた。
このくさび形の構造は、外側は階段の断面によって形状が決まり、内側はスタンドの傾斜に合わせている。観客はスタジアム内を階段やスロープで移動するのではなく、グランドスタンドの途中まで外階段を上る設計となっているが、この地点からはスタジアムの全景が見渡せるようになっている。
工事は2012年11月4日に始まった。2013年4月15日、当時のボルドー市長、FCボルドーのオーナー、当時の監督だったフランシス・ジロらが出席し、スタジアムの最初の石が敷かれた。そして、2015年4月に市に引き渡されるまで、2年3カ月という短期間で完成した。
こけら落としとなった試合は、2015年5月23日、リーグアンの最終節のボルドーとモンペリエだった。新スタジアムで初めてゴールを決めたのは、元ウルグアイ代表のFWディエゴ・ロランで、試合はボルドーがモンペリエを2-1で下した。このお披露目にはジネディーヌ・ジダンを含む200人のボルドーでプレーしていたOB選手が招待され、試合の最後には、クラブの歴史を振り返るショーも行なわれた。
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