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パリ五輪でU-23日本代表を待ち受ける強豪国の顔ぶれ フル代表組はどこまで選出されるか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【どこまで五輪に力を入れるか】

 バルサ育ちのU-23だけで、スーパーチームを組めるだろう。16歳ラミン・ヤマル、17歳パウ・クバルシのふたりは、いずれもバルサの下部組織ラ・マシア育ちで、それぞれリオネル・メッシ、カルレス・プジョルと比較される。日本で言えば高1、高2だが、トップチームでも定位置を取りつつあり、すでにフル代表にも選ばれている特級レベルだ。

 また、MFガビとフェルミン・ロペスはともに20歳で、すでにトップで実績を積む。昨年のU-17W杯で日本を沈めるゴールを決めた17歳のFWマルク・ギウや、シャビ・エルナンデス監督の秘蔵っ子で17歳のサイドバック、エクトル・フォルトもおり、18歳のMFパウ・プリムは「セルヒオ・ブスケッツの後継者」と目される。さらにラス・パルマスで定位置を取った左利きセンターバック、ミカ・マルモルや、U-21欧州選手権でもベストGKの呼び声の高かった22歳のアルナウ・テナス(パリ・サンジェルマン)も逸材だ。

 問題は、どこまで戦力を集められるか。前回のスペインはベストメンバーに近かったが、金メダルを逃している。さらにEUROにも出場したペドリはオーバーワークで慢性的なケガに悩まされている。五輪はFIFAの拘束権はなく、欧州勢は2軍に近い編成になる可能性もある。

 一方、日本は五輪重視の国だけに戦力糾合は可能で、オーバーエイジも含めると、メダルも手に届くかもしれない。パリ五輪世代の絶対的実力者、久保建英(レアル・ソシエダ)を戦力に加えられたら一気に力は跳ね上がる。さすがに所属クラブは難色を示すだろうが......。

 いずれにせよ日本は、まず出場権の獲得という試練に挑まなければならない。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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