南野拓実はチームに溶け込んでいる。クロップ監督と笑顔でハグ

  • 田嶋コウスケ●取材 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 南野拓実のプレミアリーグデビューはお預けとなった。

 1月1日付で正式にリバプールの一員となった日本代表MFは、11日に行なわれたトッテナム・ホットスパー戦で国内リーグ初のベンチ入りを果たした。しかし、前半からタッチライン際で断続的にアップを行なったものの、最後まで出番は訪れなかった。

トッテナム戦で南野拓実に出番は回ってこなかったトッテナム戦で南野拓実に出番は回ってこなかった 加入したばかりの南野にとって、途中交代で起用されるには極めて難しい試合展開だった。

 リバプールが前半37分に先制ゴールを奪うも、その後は1−0のまま拮抗した展開で進んだ。序盤のトッテナムは守備をガッチリ固めてロングカウンターに狙いを定め、後半途中に5バックから4バックへの変更で反撃を開始した。トッテナムにも終盤に得点チャンスはあったが、リバプールが1−0で逃げ切った。

 こうした接戦になると、たったひとつの判断ミスや連係ミスが命取りになる危険がある。リバプールに合流したばかりの南野を投入するにはリスクが高すぎた、ということだ。

 実際、ユルゲン・クロップ監督は、アダム・ララーナ(後半15分)、ディボック・オリジ(後半35分)、ジェルダン・シャキリ(後半45分)の順に交代カードを切っていった。

 前線からきっちり守備を行ない、日本人選手にしてはプレー強度も高い南野を投入する策もあったかもしれないが、途中交代で起用したのは、いずれもクロップの下でプレー経験の長い選手ばかりだった。オリジを投入した後半35分のタイミングで南野のアップを終了させたことからも、新加入選手を投入させる試合ではないと、指揮官は判断したのだろう。

 それにしても、リバプールは強い。プレミアリーグ21試合を戦い、20勝1分の無敗。サウサンプトンに敗れたレスター・シティが3位に転落し、代わりに2位に浮上したマンチェスター・シティとの勝ち点差は「14」となった。

 しかも、21試合で獲得した勝ち点「61」は、欧州5大リーグで史上最多の数字だ。このまま順調に勝ち進んでいけば、今季のリバプールは欧州サッカー史にも名を残すことになりそうだ。

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