伊東純也が監督交代を機に蘇った。2019年ラストゲームで大暴れ (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO



「かなり攻撃に専念できています。ほかのタスクをあまりかけられなくなりました。それで自分のフィーリングもよくなりました」。クレマン元監督(現クラブ・ブルージュ監督)とヴォルフ監督は似ているか?「ふたりは異なるパーソナリティですが、まず攻撃のことを考えるという点で、サッカーのアイデアは似通っていますね」(11月30日付け記事から抜粋)

 開幕以来、伊東はゴールから遠ざかっていた。公式戦初ゴールは12月3日。ベルギーカップのアントワープ戦まで待たないといけなかった。68分からピッチに入った伊東は105分、ワンタッチゴールで試合を3−3の振り出しに戻した(結果はPK戦の末、アントワープが勝ち抜け)。

 今季リーグ戦初ゴールを決めたのは、12月7日の第18節セルクル・ブルージュ戦。34分にハーフウェーラインから独走し、最後はミドルシュートを決めた。

「ここまで5アシスト(リーグ戦では)ノーゴールというスタッツは、伊東がフィニッシャーではなくアシスト役であることを示している。しかし、ヤン・ブライデル・スタディオン(セルクル・ブルージュのホーム)で伊東は20メートルの強烈なシュートを決めてフィニッシャーに変貌した」(『ヘット・ベラング・ファン・リンブルフ』紙)

 そして、今年最後の試合となったオイペン戦で公式戦3ゴール目を奪取。伊東はいいフィーリングでウインターブレークに入ることになった。

「今日勝って終われたのは、これからの休みにもプラスになると思います」

 年明けのゲンクは1月4日からスペイン・アリカンテに近いベニドルムに移動し、5日から12日まで冬季キャンプを張る。伊東はそれまで、日本で束の間の休みだ。

 ゲンクは現在8位。ベニドルム合宿はプレーオフ1(上位6チームによる優勝、CL、EL出場権をかけたプレーオフ)に進出するために欠かせない強化の場となる。プレーオフ圏内の6位メヘレンとの勝ち点差はわずか3しかないが、レギュラーシーズン残り10試合のなかに上位7チームとのカードはすべて残っており、ゲンクにとって厳しいスケジュールだ。

「今は6位に届いていないんで、そこに絶対に入れるようにしたいです」

 伊東は2020年の目標をそう語って、スタジアムをあとにした。

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