伊東純也が監督交代を機に蘇った。2019年ラストゲームで大暴れ

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 ゲンクの伊東純也は12月26日のオイペン戦(2−1の勝利)で1ゴール1アシストを記録し、今年最後の試合を締めくくった。この活躍で、伊東は全国紙『ヘット・ニーウスブラット』が選ぶ週間ベストイレブンに小林祐希(ワースラント・ベフェレン)とともに選出された。同紙による伊東のベストイレブンは、開幕戦以来だ。

オイペン戦で1ゴール1アシストを記録した伊東純也オイペン戦で1ゴール1アシストを記録した伊東純也 伊東が13分に決めた先制ゴールは、右SBヨアキム・メーレからのパスを右ハーフスペースで受け、切り返しからボールを中に運んで冷静に左足で決めたもの。

「最初、そのまま打とうと思ったけれど、DFが見えたのでかわして打ちました。とりあえずサイドに流し込もうと思いました」

 一方のアシストは、伊東が右サイドから低いクロスを入れたところ、相手DFの身体に少し触ってファーサイドに流れ、これを長身ストライカーのポール・オヌアチュがフリーで押し込んだもの。

 伊東の武器であるクロスは、相手DFとGKの間を低く強く狙ったり、カーブをかけてピンポイントで味方のヘッドに合わせたりするので、相手はそれを意識して中を固めてくる。すると、伊藤はバイタルエリアに空いたスペースでフリーになった味方に横パスを出し、新たなシュートシーンを作り出す。

 第5節のアンデルレヒト戦では、DFを背負いながらボールをキープし、走り込んだFWムブワナ・アリ・サマタに落とすポストプレーでアシストするなど、ゴールをお膳立てするバリエーションは豊富だ。今季21試合で6アシストを記録している伊東だが、映像で試合を見直すと、少なくとも10アシストまで数字が伸びていてもおかしくないほど多彩なチャンスメークぶりだった。

 だが、今季前半戦の伊東には浮き沈みもあった。今季の6アシストのうち、5アシストは開幕10試合で固め取りしたもの。地元紙『ヘット・べラング・ファン・リンブルフ』紙は第11節のスタンダール・リエージュ戦以降、4試合続けて伊東に5点(10点満点)という低い採点をつけ、第15節のゲント戦では途中出場の伊東に4をつけた。

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