浅野拓磨が陥ったビッグクラブ移籍の
落とし穴。現地報道も加熱する事態 (2ページ目)
3月下旬、日本代表戦の期間中に続報があった。マルティン・キント会長、つまりSDよりも上の人物が、浅野の買い取りを否定する意向を示したと地元紙が報じたのだ。
浅野はレンタル先であるハノーファーで出場試合が一定数を超えると、買い取りの義務が生じる契約になっている。だが、会長は買い取るほどの魅力を浅野に感じていないというのだ。今季、あと2試合に出場してしまうと、買い取り義務が発生するから、あと1試合しか出られない。ちなみに買い取り金額は300万ユーロ(約3億7000万円)である――そんな報道を、キント会長は大筋で認めた。
代表戦ウィークが終わった直後の3月31日、浅野はシャルケ戦に途中出場している。ハノーファーが買い取らないのであれば、ここで浅野の2018-19シーズンは終了してしまうことになる。チームは0-1でシャルケに敗れてリーグ戦6連敗。最下位に転落した。
翌週の半ば、キッカー誌が、「ハノーファーは浅野を起用しないと決断した」と報じた。浅野を買い取らないという決断に対し、アーセナルが怒っているという見出しもついた記事だった。イギリス側(デイリー・ミラー紙など)でも同様の報道が出たが、これはキッカー誌を引用したものにすぎなかった。
4月6日のヴォルフスブルク戦で、浅野はベンチ外だった。トーマス・ドル監督は、浅野の起用が禁止されたとほのめかすにとどまったが、ヘルトSDはキント会長から起用しないようにと指示されたことを認めた。チームはヴォルフスブルクに敗れて7連敗、週明けの9日にはヘルトSDがクビになった。
ハノーファーは13日のボルシアMG戦にも0-1で敗れて8連敗。降格に向けて一直線という様相を呈している。冒頭の原口のコメントはこの試合後のもの。チームについても自身についても、開き直ってサバサバした様子だったのが印象的だった。
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