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森保Jに立ちはだかるイランの
ケイロス監督。「相手を泣かせろ」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Imaginechina/AFLO

 その後、ロナウドがボールを呼び込むうまさを発揮し、ゴールを量産するようになったのは言うまでもない。

「我々監督は優秀なタレントを手に入れられるかもしれない。それによって大会で優勝できることもある。ただ、チャンピオンになるための選手のパーソナリティーは、与えられるものではない」

 そう語るケイロスは、選手の人間性を引き出し、成長させる手腕に長けているのだ。

 ケイロスが2011年に監督に就任して以来、イランは着実に進化を続けている。昨年のロシアW杯では、スペイン、ポルトガル、モロッコと強豪と同組だったにもかかわらず、1勝1敗1分けと健闘。あと一歩で、同国史上初の決勝トーナメント進出を果たすところだった。スペインには0-1で敗れたものの、互角の戦いを演じた。

 ケイロスは選手の力量を見極め、リアクション型カウンター戦術の精度を高めてきた。地味だが、組織的で、強度も練度も高い。ロシアW杯は3試合で2失点。今回のアジアカップも5試合で無得点を続けている。

 2011年当時、海外組は2、3人だったが、今や主力の半数以上が海外でプレーする。イラン人は肉体的に強く、戦術的な学習能力も備え、とにかく戦闘力が高い。ヨーロッパでのプレーにもすぐに順応できるのが強みだ。

 ロシア1部リーグ、ルビン・カザンでプレーする若手FWサルダル・アズモンは、高さ、速さ、強さを併せ持つ。1トップとして有数の選手で、今大会はすでに4得点を挙げている。

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