メッシだけじゃない。モドリッチ、アザール...小柄な選手がトレンド? (3ページ目)
倉敷 結局、これは繰り返しになると思うんです。組織の方に行って、また個に戻ってくる。小澤さんもおっしゃっていましたけれども、結局、最後は個だ、と。個の選手の能力が高ければ、たとえばマルアン・フェライニの使い方によってベルギーが攻撃しようとしても、ポール・ポグバで何とか守れてしまうフランスの強さがあったと思います。
だから、9番タイプのクラシカルなFWは、もしかしたらしばらく出番がなくなってしまうのかもしれないけれど、最終的には新しい個性というものが必要になってくるんでしょうね。中山さんはどう思いますか?
中山 各ポジションにタレントがいて、それがチームとして機能するという傾向がより強くなってくると思います。南米勢は以前から比較的そういうチームではない方が多かったと思うんですけど、今回のチッチ監督率いるブラジルを見ても、ディフェンスに対するルールはすごくしっかり守られていましたし、多くのチームは個だけに頼らない、チームとしての戦術が年々洗練されてきている印象を受けました。どのチームもその流れについていかないと、いくらすばらしい個がいても、それが生かされない時代になっていますよね。
倉敷 データマンの小林君、アタッカーに関して何か付け加えておくべきことはありますか?
小林 小柄な3人が受賞しましたが、彼らはクラブレベルでも、きっちり走りきれて、なおかつ戦えていました。そういう選手がいるチームが強かったのかなと思います。
倉敷 確かにそうですよね。もうひとつ小林君に聞きたいんですけど、今大会ではセットプレーが目立ちましたね。
小林 そうですね。今大会は、1966年大会以降、カウントを取り始めてからもっとも多くセットプレーからゴールが生まれた大会で、合計73ゴールがセットプレーからというデータがあります。もちろん、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の影響もあったとは思いますが、そういうところを突き詰めていくことも、もしかすると今後はもっと増えていくかもしれないですね。
倉敷 確かに。今大会のイングランドは、12ゴールのうち9ゴールがセットプレーからというデータがありますが、ガレス・サウスゲート監督はいろいろ対策をしていたらしいですね。
小林 そうですね。バスケットボールの戦術云々という記事も出ていましたけど、イングランドは2016年のユーロの時に、30本以上あったコーナーキックの機会で1ゴールも決められなかったにもかかわらず、今大会ではPKも含めてセットプレー絡みで6点を決めています。ですので、大きな武器、ひとつの戦術になっていたのかなと思います。
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