2017.07.26

本田圭佑の肺も肥大化するのか。
異才を生むメキシコサッカー事情

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 1980年代、レアル・マドリードで5度の得点王に輝いたウーゴ・サンチェスは、オーバーヘッドやジャンピングボレーというアクロバティックなシュートを得意とした。ゴール後はバク転を披露(多くの選手が真似た)。突出して躍動感のあるストライカーだった。

 クアウテモク・ブランコは奇抜なドリブラーとして注目を浴びた。98年フランスW杯、”カニ挟み”のようにボールを両足に挟んで跳ね上げ、軽やかにディフェンダーを抜いていった。そのドリブルは自由で、既成概念にとらわれなかった。
 
 94、98、2002年のW杯に出場して名を馳せたのが、GKホルヘ・カンポスである。160cm台と言われる小柄ながが跳躍力と反射神経が抜群で、スペクタクルなセービングを連発。リベロGKと言われるほどプレーエリアが広く、国内リーグではFWとしてもプレーした。

“奇抜”は潮流であって、ひとつの世代で終わらない。例えば今も、チチャリート(レバークーゼン→ウェスト・ハム)、ハビエル・アキーノ(ラージョ・バジェカーノ)、ユルゲン・ダム(ティグレス)、ギジェルモ・オチョア(マラガ→スタンダール・リエージュ)の4人はその系譜を受け継ぐ選手だろう。チチャリートは点で合わせるシュートが芸術的だし、アキーノのドリブルもトリッキー、ダムは時速35km以上のドリブルで世界最速を争い、GKオチョアはブラジルW杯での至近距離のシュートストップで有名になっている。