「ロッロ、ロロロ」の大合唱。レアルファンからC・ロナウドへの愛情 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 結果を出せなければ、厳しいブーイングが飛ぶのがサンティアゴ・ベルナベウであり、それは生え抜きでチームを支えてきたラウルやイケル・カシージャスでも避けられなかった。ここ最近のその矛先は、守備を免除され、前線でゴールを狙い続けるだけのカリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、そしてC・ロナウドの3人に向けられていた。

 特に「攻守のバランスを崩してでもクリスティアーノに得点を決めさせるためのシステム」などと揶揄(やゆ)されるほどの恩恵を受けていたポルトガル人FWに対しては、得点を決めて当然。これだけのお膳立てをしてもらいながら、ゴールを決めることができないのは、力が落ちた証拠だと、厳しい批判が飛び交った。

 確かにここ最近のC・ロナウドは、サイドアタッカーとしての魅力を失っていた。1対1に勝つことは稀であり、自慢のスピードある突破も見ることはなくなった。だが、それでも絶対的な空中戦の強さと決定力の高さが残っていた。そして今、CFとして生まれ変わった背番号7番は、シーズン終盤の大事な局面でチームを勝利に導く重要なゴールを量産している。

 それを象徴するのが、合計5得点を決めたバイエルン・ミュンヘンとの2試合であり、ハットトリックを決めたこのアトレティコ・マドリード戦だ。

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