内田篤人、2年ぶり90分間出場。「1日たっても痛くないのが嬉しい」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 千葉格/アフロ●写真 photo by Chiba Itaru/AFLO

親善試合のハノーファー戦にフル出場した内田篤人親善試合のハノーファー戦にフル出場した内田篤人 3月23日、日本代表がUAEを下した直後にキックオフしたハノーファー対シャルケの親善試合。先発した内田篤人は90分間フル出場した。実に2015年2月のチャンピオンズリーグ、レアル・マドリード戦以来2年ぶりのフル出場だった。

「ありがとうございます。おかげさまです」

 おどけて話す内田の、声のトーンは弾んでいた。

 内田のリハビリは永遠に続くのではないかと思うほど険しい道のりだった。一歩ずつ、ステップバイステップでここまでやってきたと言いたいところだが、そんなに生易しいものではない。むしろ3歩進んで2歩下がる、前進したかと思えば壁に突き当たる、当初の予定があっという間に白紙に戻る......の繰り返しだった。それはまだ現在進行形である。だが今回のフル出場は、間違いなく大きな前進だった。

 昨年の12月8日、内田は消化試合となっていたヨーロッパリーグ(EL)ザルツブルク戦で公式戦に復帰している。その2日前には「俺、試合に出たら泣いちゃうかも」と話していた内田だったが、83分からの出場に、試合直後は「まあ、リハビリ頑張ったね、のご褒美でしょう」と冷静に受け止め、さらに少し時間がたつと「もっとちゃんと長く出たかったな」とぼやいた。いわば形式上の復帰だった。

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