酒井宏樹が語る日本代表への思い。「欧州のメンタルを持ち帰りたい」 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi赤木真二●撮影 photo by Akagi Shinji

――守備については、監督から厳しく言われているんですね。

「そうですね。それと、相手をどうしても止めなければいけない場面で、うまくファールする方法なども言われたりします。そういうプレーは、こっち(欧州)の選手はめちゃくちゃうまいですから。ある意味、ファールの能力は完璧ですよ。あれは、もう一種の才能ですね(笑)」

――確かに文化の違いといいますか、日本人に急にやれと言われても難しい。

「ユベントスの試合を観たりすると、カウンターを受けそうなときにディフェンダーがファールをして相手を止めるんですが、あの止め方はすごいですね(笑)。ああいうプレーは、日本人にはなかなかできない部分かもしれません。少年時代からファールをしてはいけないと指導を受けていますし」

――日本人にはフェアプレー精神が根付いているんでしょうね。

「ええ。ただ、ブンデスリーガは比較的レフェリーが笛を吹く傾向がありましたけど、フランスはまた違うでしょうし、そういう部分も学びながら楽しめればいいと思っています」

――よく本田選手や長友選手が、まずは個人が成長することが大事で、個人が成長すれば自然と代表チームにそれが還元されると話しています。そういう意識は強いですか?

「はい。あの世代が代表チームに還元してくれているものはとても多いと感じますし、逆に僕たちの世代がもっともっと力をつけなければいけないと思います。世界の中でまだ日本人選手が上位にいるわけではないですし、それは僕たちもわかっているつもりです。だからこそ、もっと上を目指していきたいという気持ちでやっています。少しでも世界に近づけるように、全員がやっていかないといけないと思います」

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