相手はイタリアでもスペインでもOK。ドイツ・レーヴ監督の長期戦対策

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 世界チャンピオン、貫録の勝ち上がりである。

 2014年のワールドカップ(W杯)ブラジル大会を制したドイツが、ユーロ2016のグループリーグC組を堂々トップで通過した。

ドイツ代表を2006年から率いるヨアヒム・レーヴ監督ドイツ代表を2006年から率いるヨアヒム・レーヴ監督 ドイツはグループリーグ最終戦で北アイルランドと対戦し、1-0で勝利。通算成績を2勝1分けの勝ち点7とし、ウクライナに勝ったポーランドと並んだが、得失点差1の差でグループ首位を守った。

 スコアこそ1-0だったが、実力差は明らかだった。

 今大会初先発のFWマリオ・ゴメスを1トップに置き、2列目のFWトーマス・ミュラー、MFマリオ・ゲッツェ、メスト・エジルが巧みにポジションを入れ替えながら縦に出入りする攻撃で、北アイルランドの守備を翻弄した。自ら「生涯最高のパフォーマンス」と振り返った、北アイルランドのGKマイケル・マクガバンのスーパーセーブ連発がなければ、大差のゲームになっていてもおかしくなかった。

 山のように決定機を作ったことをポジティブにとらえるか、わずか1度しか決められなかったことをネガティブにとらえるかは判断が難しいところだが、いずれにしても、ドイツの危なげない勝利だったことは間違いない。

 グループリーグでの3試合を通じてドイツに感じるのは、選手層の厚さである。

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