途中交代のヘルタ原口元気が明かす、チームメイトへのジェラシー (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

「正直勝ってうれしいですけど、悔しい(気持ちの)方が大きいです。サロモン(・カルー)の1得点1アシストを見せられると、ああいうところを目指していかないといけないなと思うし、同じチームですけど力の違いを見せつけられているのが悔しいです」

 コートジボワール代表FWのカルーは前所属先のチェルシーで欧州制覇を経験しているストライカーだ。今季はチーム最多の12ゴールを挙げ、チーム総得点の33ゴールのうち15ゴールに関与している。

 特筆すべきはその勝負強さと決定力の高さで、今季12勝のうち5試合でカルーが決勝点に絡んでおり、シュート数に対するゴールの割合はリーグ得点王を争うレバンドフスキー(バイエルン)やオーバメヤン(ドルトムント)よりも高い。あまり相手を圧倒するような戦いが多くないヘルタにとって、少ないチャンスを確実にモノにしてチームを勝利に導くカルーは欠かせない存在だ。

 そんなチームメイトのカルーに対して、現状あまりチームの勝利に直接貢献できていない原口は、尊敬や感謝だけでなく悔しさを感じているのだ。
 
 事実、フランクフルト戦で先発した攻撃的な4選手のうち、最も結果に絡めていないのが原口だ。裏を返せば、結果以外のところでダルダイ監督から評価されているということでもある。監督が一番に原口に求めているのが結果というわけでもないのだろう。ヘルタの強みは組織的な守備とボールを奪ってからの素早い攻撃で、チームのために労を惜しまず走り、規律を守ることのできる原口が重宝されるのも頷ける。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る