ブンデス前半戦終了。日本人12人はいかに戦ったか (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 難しい状況に陥っているのがドルトムントの香川真司だ。前述のようにチーム状況も厳しいが、その中にあってシーズン途中加入で結果を出せていないのは痛い。クロップ監督は「チーム状況が悪い中、移籍してきていきなり結果は出せない」と長い目で見ていることを認めている。

 加入した最初のフライブルク戦では1得点を挙げたものの、その後はドイツ杯をのぞいて無得点。これは、復帰戦がいかにチームにお膳立てされたものであったかを、証明してしまったことになる。それだけチームメイトに愛される存在であることは間違いなく、ファンも「良い選手だが、今はまだ……」と、クロップ同様の認識でいる。

 マンU時代に出場機会が減ったことの影響も大きいが、すでにドルトムントでは第3節から第13節まで連続で出場、そのうち9試合は先発だった。不調の理由を説明するのは難しい。香川自身、「ここで踏ん張らないと落ちて行くだけ」と苦しい心境を吐露したこともある。時間が解決すると信じて待つしかない。チームは冬の市場である程度の補強をするはず。本当であれば1月のスペイン合宿に参加したいところだが、アジアカップに出場する以上、うまく気持ちを変えて調子を取り戻してほしいところだ。

 8位ハノーファーの酒井宏樹清武弘嗣は安定して試合出場を重ねている。特に清武は3得点をあげ、着実に存在感を増している。

 また、ヘルタ・ベルリンの細貝萌は、相変わらず、ルフカイ監督から厚い信頼を勝ち得ている。ただしチームは13位と苦しんでいる。唯一先発を外れたドルトムント戦ではホームで勝ちきり「今季一番嬉しい勝利」と笑顔を見せた。新たにチームメイトになった原口元気は開幕戦フル出場と幸先の良いスタートをきったが、負傷の影響もあって10試合出場に留まった。

 シュツットガルトの酒井高徳は、15位に沈んでいるチームの不調のあおりを食った形だ。スポーツディレクターの解任や、監督交代という激動の前半戦だったが、ラスト3試合はステフェンス新監督の下でスタメンに返り咲いた。「チームの調子が悪いときに何かを変えたいのはわかるが、そのファーストチョイスにならないようにしたい」と話していた。 

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