ブンデス前半戦終了。日本人12人はいかに戦ったか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 今季、意識しているのは「チームを勝たせられる、変えられる」選手になることだと言う。「選手はひとりじゃ何もできない。でもひとりでチームを変えられる選手というのは少ないけれどいる。自分が警戒されすぎて点を取れていないときはチームもうまく回っていない」と、そのイメージを語る。アジアカップによる離脱がチームに与える影響は間違いなく大きい。

 次いで安定した活躍を見せているのが内田篤人(シャルケ)だ。負傷もありスロースタートだったが、第5節以降はフル出場。古傷のことなど感じさせないプレイぶりだ。

 ディマッティオ監督からは「お前は痛くても申告してこないとスタッフから聞いている。今は大丈夫なのか?」と直接、尋ねられたことがあると言う。体育会系日本人らしく、自分から痛いと言わないことを一種の美徳とする面があるが、試合で100%のプレイをするために、練習を休む必要があれば休んで然るべきだということのようだ。「それでもすぐ休むヤツって思われてなくてよかった」と、笑ってみせた。

 じょじょに順位を上げ現在5位のシャルケ。最近になりディマッティオ監督は4-2-3-1から3-4-3へシステムの変更を模索している。中盤での起用で内田の攻撃性も今後さらに生かされるはずだ。

 今季、生まれ変わったように生き生きとプレイしているのは、9位につけているフランクフルトの乾貴士だ。チームに長谷部誠が加入したことで精神的にも安定。また、昨季後半以降は冷遇されていたが、指揮官が交代。シャーフ新監督は乾のような攻撃的MFを生かすことに定評があり、彼の下でよみがえった。日本代表としてアジアカップメンバーに選出されたこととも無関係ではないだろう。

 今季のフランクフルトでは2列目の左の選手としてファーストチョイスの地位を確立。ただし14試合に先発出場して1得点は物足りない。「思ったところにボールがこない」とぼやくこともあり、今後はさらなるコミュニケーションが求められる。ここでも長谷部の手助けは大きいのではないか。

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