シャルケ連敗ストップ。内田篤人「これがアウェーの勝ち方」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

「内容が良くても結果が出ないことが残念です。前節のバイエルン戦もCKとフリーキックでやられた。今回もセットプレイでやられた。個の能力でカバーできるところで失点したのがチームにとっては痛かった」

 その後もシャルケが主導権を奪った時間帯はほとんどなかった。ヘルタのルフカイ監督はこう総括した。

「我々は90分間、良く戦ったのに負けてしまった」

 人の良さそうなルフカイ監督が少し気の毒にさえ見えた。一方、内田は試合をこう振り返った。

「アウェーで0で抑えられた......。何回か危ない場面はありましたけど、前の選手が頑張ってくれたし、ユリアン(ドラクスラー)も点を取ってくれた。アウェーはこうやって勝ってかないと」

 内田の言う「こうやって」とは、攻められながらもそれに耐えるサッカーをしたということ。もちろん主導権を握って攻撃的に戦えればそれが一番だが、何よりも今のシャルケにとって重要なのは勝ち点3。

「カウンターで何回かやられたけど、無失点なら良いでしょう」と、内田は満足感を口にした。

「週2で試合があると、体がきついのもあるし、あまり練習ができない。今週は戦術的な練習ができて良かった」

 過密日程の続くシャルケにとって、ミッドウィークの試合がないこと自体が珍しかった。やはりチャンピオンズリーグとリーグ戦を交互に戦う中で、ひずみが生じていたのだろう。チェルシー戦とドルトムント戦という、年内の山場ともいえる1週間で2連敗を喫した後だっただけに、大きな勝利だった。

 あらためて言及することでもないが、この試合は、以前であれば注目を集めたであろう日本人対決でもあった。今では日本人対決は毎週のようにどこかで行なわれており、選手たちも「もうナンセンスでしょう?」や「今さらでしょ?」などと言って、平常心であることを強調する。

 それでも試合後、細貝と内田はユニフォームの交換をしていた。なんだか微笑ましいシーンだった。

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