サンダーランドのイタリア人監督、ディカーニオの政治的信条とは? (2ページ目)
ディカーニオは2002年にイタリアの政治家について不満を漏らし、「ムソリーニが生きていれば、こんな社会にはなっていなかった」と言ったが、このときは自分はファシストではないとつけ加えた。「ムソリーニを支持する」という発言と「自分はファシストではない」という言葉が矛盾して聞こえるだけで、潔く感じられない。
現在のディカーニオは、そんな騒動などなかったかのように振る舞っている。サンダーランドの監督に就任した直後には、ファシズムについての発言は誤って引用されていると語った(自伝での発言もそうだというのだろうか)。ディカーニオは、親友のなかに黒人が何人かいるとも言った(自分はレイシストではないと言いたいのだろう)。
その直後、ディカーニオは「私はファシズムのイデオロギーを支持していない」とまで言った。フット教授は言う。「むしろ、自分はファシストだとはっきり言っていれば、彼をもっと尊敬できた。だが彼は逃げを打った。これこそマッチョな態度とは言えない」
救いがあるとすれば、このファシズム支持者がただのフットボールクラブの監督であり、政情不安を抱えるヨーロッパのどこかの国の大物政治家ではないということだろう。
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