【ドイツ】長谷部誠が語った「今のバイエルンと戦えることの幸せ」 (2ページ目)
「そんなに何回もバイエルンとできるわけじゃないので、どのチームもバイエルンとやるときはいつも以上の力を出したいと思って当たっていく。 そういう中でこういう結果になるということは、バイエルンが相当強いという意味だと思う。こういう数少ない本当に楽しいゲームをもっともっとやりたいなと思いましたけどね」
ミックスゾーンで終始笑みさえ浮かべていたように見えたのは、勝負が楽しかったせいなのかもしれない。
バイエルンのプレッシャーの前に、ボルフスブルクは立ち上がりから受け身に回った。どうにか耐えていたが、18分に先制点を与えてしまう。攻め込んでからのパスミスをカットされると、そのまま一気にゴール前につながれた。シャキーリ、ロッベンとつながれると、左を駆け上がったマンジュキッチが右隅にきっちり決める。文句のつけ用のないカウンター攻撃だった。
22分にはバイエルンのGKノイヤーが弾いたボールに中央で長谷部がつめ、シュートを放つ絶好のシーンが訪れている。だがこれはダンテに防がれてCKになった。
35分、攻撃に出たボルフスブルクはまたもパスミスを奪われ、シャキーリにスルーパスを通されると、最後はロッベンが落ち着いてシュートを決め、2-0に。これもまた見事なカウンターだった。ボルフスブルクが自陣にDFを残していなかったわけではないのだが、バイエルンのカウンターの精度の高さには目を見張るものがあった。
それでもボルフスブルクは前半終了間際にジエゴが右足シュートを決め、2-1で折り返す。いい時間帯に得点をあげたことで、ボルフスブルク側も士気は上がった。
「雰囲気的にもやっているゲームとしても全然悪くはなかったし、自分たちも4回くらい決定的なチャンスを作っていた。それを続けてやろうと思っていましたけど、後半立ち上がりにああいう形で入れられて、ちょっとがくっと来た感じはあります」(長谷部)
後半最初の失点は51分。ショートコーナーからシャキーリにきっちりと決められた。ボルフスブルクのヘッキング監督は「65分間はいいゲームだったのだが......」と振り返るが、その後、76分にマンジュキッチに代わってゴメスが投入されると、ゴメスは80分、83分、86分と、わずか6分間でハットトリックを達成した。
試合後の長谷部は気持ちを切り替えていた。
「最後の何分かで入れられちゃいましたけど、ゲームとしてはそんなに自信をなくすようなものではなかった。次につなげていきたいです」
今季のバイエルンに敗れるのは、恥ずかしいことではない。
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