CL準決勝でスペイン2強と激突。ドイツ勢の勢いはどこまで続く?

  • 了戒美子●文 text Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

準々決勝でユベントスを一蹴したバイエルン・ミュンヘンのリベリー 準々決勝でユベントスを一蹴したバイエルン・ミュンヘンのリベリー  チャンピオンズリーグ(CL)準決勝の組み合わせが決定した。バイエルン・ミュンヘン対バルセロナ(第1戦は4月24日)、ドルトムント対レアル・マドリード(同4月25日)。ドイツ勢2チームとスペイン勢2チームが激突、決勝で同国対決もあり得る組み合わせだ。ドイツのクラブが準決勝に2チーム進むのは史上初のこと。チャンピオンズリーグに参戦したもう一つのクラブであるシャルケも16強に入っており、ドイツ勢の躍進が目立つ大会となっている。

 バイエルンは09~10シーズン準優勝、10~11シーズン16強、11~12シーズン準優勝と、ここ数年は常に結果を残している。今季もシーズンが深まるにつれて評価を高め、優勝候補の呼び声も上がっている。

 一方のドルトムントは96~97シーズンに優勝を果たし、翌年は準決勝に進出。それ以来のベスト4となる。10~11シーズンはヨーロッパリーグでグループリーグ敗退、11~12シーズンはチャンピオンズリーグに参戦したもののグループリーグわずか1勝で敗退している。大会名称が現行のものとなった92~93シーズン以降22大会の準決勝進出回数を見ると、首位はバルセロナの10回。レアル・マドリードは8回、バイエルンは7回で、3チームは常連だ。今回、多少の番狂わせを起こしているのはドルトムントだということだ。

 ドルトムントの強さは近年確かなものとなりつつある。08年にクロップが監督に就任して以降、国内では6位、5位、そして2連覇と、確実に力をつけている。今季はすでにバイエルンに優勝を決められてしまったが、残り6戦の現時点で3位と勝ち点差6の2位。このままフィニッシュが濃厚である。

 だが、前述の通り欧州での戦いでは結果がついて来なかった。昨季チャンピオンズリーグで敗退した際には、ドイツ国内のメディアの論調はクロップ監督の若さと経験不足を問うものが多かった。ブンデスリーガの試合ではジャージでベンチ入りするのに対し、チャンピオンズリーグではスーツを着用していたことを皮肉って「まだスーツが似合わない」とビルト紙は表現した。

 ちなみにクロップは1967年生まれの45歳。確かに若手ではあるが、ビラノバは68年生まれ、モウリーニョは63年生まれだから大して変わらない。ただ、年齢はともかくキャリア、経験が豊富でなかったのは確かだ。現役を引退した01年にそれまでプレイしていたマインツの監督に就任し、そのまま7シーズン、監督を務めただけ。そんな彼がドルトムントという古豪を復活させた。

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