2012.07.22

【イングランド】マンU南ア遠征、香川真司「厳しさは感じない」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

アヤックス・ケープタウン戦に先発、77分間プレイした香川。試合は1-1に終わった つい2年前、ワールドカップメンバーに落ちたと言って号泣していた青年が、今や世界のまぎれもないトップクラブでプレイしている。にわかには信じがたいが、赤いユニフォームに身を包み、確かに香川真司はそこにいた。

「世界のビッグクラブでプレイする」「ドルトムントは僕のステップ」と、香川はドルトムント入団当初から言い続けてきたが、その言葉通りにあっというまにマンチェスター・ユナイテッドの一員になってしまった。セレッソ大阪で5年、ドルトムントに移籍して2年、その進むスピードには驚くしかない。

 ただ、当然ではあるが、名門チームに新参者が馴染んでいくのはそう簡単ではない。公開された練習風景などを見ても、ウォーミングアップを兼ねた1対1 のパス交換で、相手が見つからずうろうろする。給水やちょっとした休憩のシーンでポツンとしている姿がどうしても目についてしまう。ドルトムントのように若い選手ばかりというわけではなく、選手たちはじゃれ合うでもなく、淡々と練習をこなしている。それもなかなか絡みづらい要因かもしれない。

「年の差もありますし。でも、気を遣うのではなくリスペクトしていきたい」と、香川自身は落ち着いていた。

 現在行なわれているマンチェスター・ユナイテッドのワールドツアーは、興行と実戦での調整を兼ねたある意味で合理的なものだ。初戦は18日、ダーバンで行なわれたアマズルとの一戦だった。その試合前日にファーガソン監督が香川の先発を予告したものだから、取材陣は少々色めきたった。

 しかし、実はこの日の昼間、香川は若手メンバーとともに試合当日とは思えないメニューの練習をこなしていた。4対4にフリーマンを加えたボール回しの練習を、休憩をはさみ、バリエーションを加えながら1時間強は行なっていた。その様子からは、このチームでのパス回し、呼吸を、香川(と他の若手)につかませる意図が感じられた。香川はまだまだこのチームにフィットしていないと判断されていることが伝わってきたし、アマズル戦には出場しないと誰の目にも明らかだった。