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【Jリーグ】「J1優勝」を初めて目標に掲げたFC町田ゼルビア・黒田剛監督「もう狙うしかない」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Yukihiko Shino

【ゴール期待値を上げていく】

――今季を迎えるにあたって、よりチームをアップデートするために必要なことはなんですか?

「これまで失点アレルギーというワードを謳っておきながら、百年構想リーグの前半戦に多くの失点を重ね、後半戦ではその失点を抑えることができました。ここが今回のキャンプのテーマでもあるんですが、前半戦よりも後半戦のゴール期待値が下がってしまったと。つまり、後半戦の守備をしながら、下がったゴール期待値をどう上げていくのかが大きなポイントです。

 それは守勢ということではなく、どうやって押し返し、相手陣内でサッカーをするか。そういう時間帯を勝っている展開のなかでも作っていけるかがすごく重要になります。それはカウンター対策でも大事な部分。見えてきたポイントは明らかで、そこを改善できれば必ずや結果はついてくる。そう信じています」

――百年構想リーグの後半戦に守備が改善された要因はなんだったのでしょうか?

「ターニングポイントは第11節(4月1日)、第9節(4月4日)で2連戦となったFC東京戦です(※変則日程のため第11節が先に開催)。第11節で0-3の大敗を喫しながら、中3日の第9節では再び対戦して0-0でPK勝ちしました。ほぼパーフェクトなゲーム展開をして、ここが分岐点になりました」

――その中3日で何があったんですか?

「0-3で敗れて、守備から攻撃のところで、できなかったことが選手たちのなかではっきりと見えたのが大きかったですね。そこからそれ以前と以降の比較で、何が改善できたのかを言語化する作業もミーティングでかなりやってきました。それは今日のミーティングでもやります。そうやってみんなが理解し、意識してトレーニングできることが重要でした」

――ここからポイントであるゴール期待値を上げるために何を求めていきますか?

「リスタートも含めて、攻撃に関してなんでもできるようにする。どの局面でも相手にとって脅威となる局面を増やしていけるように洗練されていく必要があります。そのためにいろんなパターン練習をしたり、理解を深めさせるアプローチもしています。ただ、最終的にはそこは各々のスキルやクオリティが求められます。

 チャンスの時に、どこにコントロールすることが一番ゴールに直結するのか。前を向いた時にコースに蹴り込めるか。これはすべてスキルです。パスやトラップがちょっとズレたり、ターンができるか、できないかもスキルの部分。精度ではなく質の追求こそゴールへの可能性を広げられるのです。

 それをできる選手を確保するのもひとつだし、苦手な選手であってもその選手の長所を生かせるような攻撃の形を見出していくこともひとつです。そのやり方の整理は必要だと思います。チームとしての理想はあっても、現実にはできることと、できないことがあるので、そこを調整しながら選手の組み合わせのパターンを見極めていくのも、やり方のひとつではあると思います」

――百年構想リーグでは、90分間での引き分けが多かったことが、町田の課題のひとつでもあったと思います。

「そこもミーティングで何度も話していることですね。我々は75分以降の失点が多く、リードしながら同点に追いつかれ、PK戦にもつれるというケースが少なからずあったと。なぜ75分以降の失点が多かったのか。

 それは時間と流れのなかでの思考という心理的な部分もあります。そこをどう克服し、勝点3に持っていくか。今回のキャンプでもそれをテーマにミーティングをしました。押し込まれている局面であっても確実に押し返していけるようにしっかりトレーニングしていきたいと思っています。

 その時間における試合の進め方は、みんなで理解していくことが重要で、シーズンが始まるまでにしっかりと浸透させていく必要があります」

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