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浦和レッズのグスタフソンがJリーグを選んだ理由「完全に違う世界。すぐにでも行ってみたいと思った」 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

【日本人はとてもフレンドリーでよく教育されている】

 元々、彼が持っていた日本の印象は、「欧州の人々が考えるような日本」だったという。電車が時間どおりに発着するような完璧な公共交通システムがあり、人々は穏やかに調和し、物事は形式的にそつなく執り行なわれている。そんなイメージを持っていた。

「でもね、日本で生活をして1年以上が経った今、そうした印象が変わったところもある」とグスタフソンは続ける。

「まず当たり前だけど、人間はそれぞれに異なるから、日本人はこうだ、と決めつけることはできないよね。それからここの社会で仕事をし、生活をしてわかったのは、人々は表面的にいいことを言ったとしても、必ずしも内面の気持ちと同じではない場合があるってこと。ただ総じて、日本人はとてもフレンドリーで、振る舞いや他者との交流に躾(しつけ)が感じられるよ。よく教育されているというのかな」

 偶然にも、インタビューの前にクラブの広報の方とフォトグラファーの3人で話している時に、北欧の選手は総じてよい教育を受けてきたのだろう、という話になった。これまでに当連載でキャスパー・ユンカー(デンマーク出身/名古屋グランパス)、アレクサンダー・ショルツ(デンマーク出身/アルワクラ)、マリウス・ホイブラーテン(ノルウェー出身/浦和)をインタビューしてきたが、彼らは一様にまっとうな英語で受け答えし、自らの考えをしっかり言葉にしていた。それはグスタフソンからも感じられたので、北欧の教育について訊いてみた。

「ははは! それはなんとも面白い偶然だね。確かに一般的かつ歴史的に、北欧の国々では教育や福祉の制度が整っていると思う。スウェーデンでは学校が無料だから、経済的な理由によって教育が受けられなくなるということはない。

 とはいえ、ここ20~30年でスウェーデンは大きく変わっているからね。それに僕らがこうして英語を話しているのは、母国を離れて生活するうえで必要に迫られたから、という面も大きい。少なくとも自分の英語は、イタリアでの5年間と日本での1年で、毎日のように話すうちによくなっていったんだと思う」

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