Jリーグは秋春制に移行して本当に酷暑を避けることができるのか? "何か"が起こる夏開催の日本サッカー (2ページ目)
【7~8月はサッカーができなくなってしまうかも】
7月31日に東京・味の素フィールド西が丘で行なわれた、日本クラブユース選手権(U-18)大会の決勝は18時開始予定だった。
だが、試合開始30分前くらいに激しい雷雨に見舞われ、雨はその後も一向に止む気配がなく、両チーム監督が協議して20時15分に開始して「40分の1本勝負」で争われることになった。
40分だけの試合というのは、かなり珍しい。なにしろ、短期戦だ。選手たちはキックオフ直後からパワー全開だった。そして、川崎フロンターレU-18の長橋康弘監督が最初の交代カードを切ったのが18分。ガンバ大阪ユースの町中大輔監督も21分には最初の交代を使う......。
豪雨のおかげで気温が下がったこともあって、とにかくプレー強度は非常に高く、両チームがゴールを奪い合う激しい試合となった。そして、追加タイムに2ゴールを決めて逆転したG大阪ユースが3-2で競り勝った。
80分を戦うつもりで準備してきた両チームの選手、スタッフにとっては気の毒な出来事だったが、プレー強度の高い試合は選手たちにとっていい経験になったはず。暑さのなかでダラダラと80分の試合(我慢くらべ)を行なうより、得るところがあったのではないだろうか。
夏場には、最初から「40分1本勝負」という大会を企画してもいいかもしれない。
そのほか、7月21日の関東サッカーリーグ1部の東京23FC対東京国際大学FCの試合は、もともと11時キックオフと酷暑を避けた予定だったが、開始時間がさらに前倒しされて10時30分キックオフに変更された。
こうして、この夏に入ってから、僕が現場で体験しただけでも、天候の影響を受けた試合が5回もあった。まだ、8月も上旬がすぎただけで、これから台風シーズンも迎えるので、これからもまだいろいろな経験をすることだろう。
もちろん、対策は取られている。
飲水タイムやクーリングブレークが取られたり、高校総体は今年は7月から8月にかけて北部九州で開催されているが、サッカーは男子が福島県、女子が北海道で行なわれた(もっとも、福島県が涼しいわけではなかったが......)。
暑さのなかでは面白い試合ができるわけはないし、選手の健康の心配もある。もし、これからも今年のような気象条件が続くのなら、そのうち7~8月はサッカーができなくなってしまうかもしれない。
2 / 4