町田ゼルビアへの批判を福田正博が考察「もっと強くなってJリーグへの関心を煽ってほしい」
福田正博 フットボール原論
■J1は現在、FC町田ゼルビアが首位を走っているが、勝負に徹したさまざまなプレー、行動に批判の声も多く聞かれる現状だ。こうした状況を長年に渡ってJリーグを見てきた福田正博氏はどう思うのか。意見を聞いた。
【ロングスローとセットプレーだけ?】
J1首位を走るFC町田ゼルビアに対し、「ロングスローとセットプレーだけだ」といった揶揄や、天皇杯・筑波大戦での騒動が尾を引いている批判が見受けられる。
J1首位のFC町田ゼルビアを率いる黒田剛監督 photo by Kishiku Toraoこの記事に関連する写真を見る 町田がロングスローを攻撃の起点にしていることは事実だ。しかし、それだけが町田の戦術ではない。1試合を通じてロングスローを1、2回しか使わないケースもある。
果たして、町田のサッカーをどれくらい見て批判しているのだろうか。
振り返れば、昨年のJ2時代から独走状態だった町田への批判は強かった。今シーズンから昇格したJ1でも、町田が序盤戦から持ち味を存分に発揮してリーグ戦を颯爽と駆けるのと歩調を合わせるように、町田批判が高まっている。そのさなかの天皇杯で筑波大にPK戦で敗れた町田の黒田剛監督のコメントによって、さらに批判の火が強まった。
ただし、町田はこの試合で4選手が負傷している。サッカーで給金を得るプロ選手を預かるプロチームのプロ監督として、相手側のラフプレーや主審の判定に対して言及するのは当然のことだったと私は思っている。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。