王座奪回を狙う川崎フロンターレ、復活を誓う鹿島アントラーズほか Jリーグ各チームの序盤のフォーメーションとプレー内容をチェック (3ページ目)
【物足りないスタートも収穫はあり】
FC東京
この記事に関連する写真を見るFW/アダイウトン、ディエゴ・オリベイラ、仲川輝人(渡邊凌磨)
MF/松木玖生(塚川孝輝)、小泉慶
MF/東慶悟
DF/バングーナガンデ佳史扶、エンリケ・トレヴィザン(森重真人)、木本恭生、中村帆高
GK/ヤクブ・スウォビィク
浦和との開幕戦で白星スタートを切ったことで波に乗るかと思われたが、続く柏戦で1-1のドロー。さらに第3節の京都戦は敵地とはいえ0-2の敗戦を喫し、開幕前にあった期待を裏切る格好となってしまった。
もちろん、CB森重真人が開幕戦を欠場したほか、第2節からは松木玖生がU-20日本代表でチームを離れ、京都戦では中村帆高が出場停止と、スタメンの入れ替えがあったことも影響しただろう。ただ、昨季から指揮を執るアルベル・プッチ・オルトネダ監督のサッカーの成熟度が問われる今季のスタートとしては、やや物足りない内容だった印象は拭えない。
もっとも、バングーナガンデ佳史扶や俵積田晃太といった若いタレントの台頭など、今後に向けたポジティブな材料もある。また、試合中に4-3-3から4-2-3-1に可変する柔軟な戦い方も効果を示しており、開幕3試合のなかで手にした収穫も少なくない。
【戦力が揃わず思惑どおりに進んでいない】
川崎フロンターレ
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MF/大島僚太(遠野大弥)、脇坂泰斗
MF/橘田健人(ジョアン・シミッチ)
DF/佐々木旭、車屋紳太郎(大南拓磨)、ジェジエウ(山村和也)、山根視来
GK/チョン・ソンリョン
昨季王者横浜FMとの開幕戦は、10年ぶりの開幕黒星。続く鹿島戦では退場者を出しながら土壇場で大逆転勝利を飾ったものの、第3節の湘南ベルマーレ戦で1-1のドローを演じるなど、なかなか思惑どおりには進んでいないのが実情だ。
特にキャプテン谷口彰悟が抜けたCBのポジションで、車屋紳太郎の負傷、ジェジエウや山村和也の退場、さらに湘南戦ではジェジエウも負傷交代を強いられ、守備の要となるCBコンビが定まっていないのが最大の誤算と言える。
また、今季からトライしているサイドバックのひとりがボランチの位置に立つビルドアップのかたちも、明確な効果を示すには至らず。何より、近年の主力流出に対する供給が追いつかず、以前と比べて各選手のプレー精度が低下。サッカーのスタイルそのものに見直しが迫られている。
レアンドロ・ダミアンや小林悠らが復帰してベストメンバーが揃った時にどこまでチームとしての完成度を高められるか。そこに希望の光を見出したいところだ。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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