上田綺世は「オフ・ザ・ボール」の動きが見事。鹿島浮上の原動力だ

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
この場面で上田綺世は、相手とどんな駆け引きをしたか

 鹿島アントラーズが苦しんでいる。

 昨季後半のチームの仕上がりから、今季開幕前は優勝候補に挙げる識者も少なくなかった。

 しかし、ここまでリーグ7試合を戦って2勝1分4敗とスタートダッシュに失敗。すべての試合で失点し、堅く粘り強い守備という鹿島らしさを欠いているのが、不振に陥っている要因の一つだろう。

 第5節は昇格組のアビスパ福岡にリーグ2勝目を献上し、代表ウィーク明けの第7節浦和レッズ戦では、カルロス・ザーゴ監督自らが酷評する低調な内容での敗戦。

 3連敗で迎えた第8節柏レイソル戦で連敗をストップしたいなかで、FW上田綺世が今季リーグ初得点を決めた。

 上田は第1節清水エスパルス戦で負傷し1カ月弱の離脱となったが、第6節名古屋グランパス戦で途中出場から復帰すると、ルヴァンカップの福岡戦で2得点と調子を上げていた。

ファン・アラーノの持ち出しに対し、前線の上田はどう動いただろうかファン・アラーノの持ち出しに対し、前線の上田はどう動いただろうか 柏戦の後半18分だ。鹿島が中盤でボールを奪うと、ファン・アラーノがドリブルで縦に持ち出していく。そして中央へ切り返した時、前線で上田は相手DFとどんな駆け引きをしていただろうか。

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