2021.03.16

Jリーグ好調3チーム、スタートダッシュ成功の要因を分析する

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kishiku Torao

福田正博 フットボール原論

■Jリーグが開幕し、J1では望みどおりのスタートダッシュを成功させたチームがいくつかある。好調チームの要因は何か。福田正博氏に解説してもらった。

開幕5連勝の川崎。旗手は献身的な動きで大活躍している開幕5連勝の川崎。旗手は献身的な動きで大活躍している  Jリーグが開幕し、J1各チームの戦いぶりを見ながら、改めて川崎フロンターレが他チームより一歩も二歩も先んじていると感じている。

 圧倒的な成績で優勝した昨シーズンのチームがベースなので、開幕前からその強さは予想していた。一方で中村憲剛が引退し、守田英正が移籍(サンタ・クララ)したこともあって、「そう簡単には行かないのでは?」という懸念もあった。それが蓋を開けてみたら、さらに進化した姿を見せつけられた格好だ。

 開幕から5連勝。その得点力もさることながら、セレッソ大阪戦では大久保嘉人に2ゴールを許したものの、3点を奪い返して逆転勝利。こういうチームはなかなかお目にかかれるものではない。

 強さの一つとして目立っているのは、攻撃のところでボールを奪われると、素早く切り替えてボールを再奪取し、そこからチャンスをつくっていく点だ。これは昨シーズンも行なっていたが、今季はインテンシティ(強度)と、チームとしての連動やプレーの精度がさらに高まっている。

 そして感心させられるのは、これだけの強さを見せながらも自分たちの強さやうまさに酔わず、慢心や驕りといった部分が見えないこと。

 これは全盛期のジュビロ磐田もそうだった。圧倒的な強さとうまさを持ち合わせながらも、最前線の中山雅史が泥臭くプレーしてチーム全体が常に勝利のためにハードワークし続けて隙を見せなかった。

 今の川崎も、最前線のレアンドロ・ダミアンが体を張り、左サイドバックの旗手怜央がハードワークをするなど、全員がチームのために汗をかいている。だから、足元をすくわれるようなプレーぶりがないのだろう。