識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た (2ページ目)

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

強力2トップ擁する鹿島が王者・川崎を倒す!?
ダークホースはロティーナ監督率いる清水

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 川崎フロンターレ
3位 名古屋グランパス
4位 FC東京
5位 横浜F・マリノス
6位 ガンバ大阪
7位 清水エスパルス
8位 サンフレッチェ広島
9位 浦和レッズ
10位 柏レイソル
11位 セレッソ大阪
12位 北海道コンサドーレ札幌
13位 ヴィッセル神戸
14位 大分トリニータ
15位 横浜FC
16位 サガン鳥栖
17位 アビスパ福岡
18位 ベガルタ仙台
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 王者・川崎フロンターレをどこが倒すか?

 それは、ひとつの焦点になるだろう。

 昨シーズンの川崎は、ライバルを振り切る強さがあった。ゴールへ迫るボールプレーの質が際立って高く、"日本人MVP"とも言える三笘薫の存在は象徴的だったのではないか。中村憲剛の現役引退発表もあり、川崎一色のシーズンだった。そして、今シーズンもその強さは変わらない。

 対抗馬は、鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、FC東京、横浜F・マリノスの4チームになるか。

 鹿島は、その筆頭格だろう。安定したマネジメントで、スカウティングのよさが光り、各ポジションに人材がそろった。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督体制2年目、王道を行く予感がある。

 その裏づけに、昨シーズン後半の巻き返しは瞠目(どうもく)に値した。エヴェラウド、上田綺世の2トップの実力はリーグナンバー1。不安要素はコロナ禍で新たに獲得したブラジル人選手たちの合流が遅れていることだが、仮に補強なしでも分厚いチーム力だ。

 名古屋は、イタリア人マッシモ・フィッカデンティ監督が戦い方を確立。GKランゲラックを中心にした守備陣は難攻不落の感があり、FWマテウスはカウンター一発で相手を仕留められる。基本戦術は変えず、前線にFW齋藤学、FW柿谷曜一朗を獲得し、単純に得点力を高めた格好だ。

 FC東京、横浜FMは一長一短か。前者は守備戦術を極め、ブラジル人助っ人も計算が立つが、MF橋本拳人の穴は埋まっていない。横浜FMは3バック、4バックの両刀になりそうだが、超がつくほどの攻撃戦術がハマるかどうかは、DFチアゴ・マルチンスの働き次第か。

 伏兵は、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が指揮を執ることになった清水エスパルス。スペインの名将は、組織的な守備と効果的なセットプレーを植えつける手腕に優れる。上位をうかがう可能性もある。

 4チームが降格となる残留争いは、熾烈になるだろう。10チーム程度が団子状態で、どう転んでもおかしくない。

 例えば、アビスパ福岡はFWブルーノ・メンデスなど外国人が稼働した場合、残留の道は開ける。一方で、横浜FCはMF松尾佑介の活躍次第で3つは順位が変わり、サガン鳥栖はどう転んでもおかしくないし、大分トリニータは大きく様変わりして未知数だ。

 最後に注目選手には、ヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタの名前を挙げたい。彼は別格。故障離脱の機会が多くなりそうだが、出場した試合に巡り会ったら、それは幸せと言える。

 DF中野伸哉(鳥栖)、MF中村仁郎(ガンバ大阪)、MF西川潤(セレッソ大阪)、DF中村拓海(FC東京)など、新鋭選手の台頭も期待したい。

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