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Jリーグで躍動「2000年世代」ベスト11。
これといった穴がない驚き (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 また、DFラインを見ると、日本では決して人材豊富とは言えないセンターバックでも、瀬古(C大阪)、小林(横浜FC)の後ろには、常勝軍団で着々と出場機会を増やす関川(鹿島)が控えている。

 右サイドバックの成瀬(名古屋)は、今季好調のチームにあって開幕スタメンの座を勝ち取り、ほとんどの試合に先発出場。左サイドバックの鈴木(湘南)も、湘南では複数のポジションをこなし、ルーキーだった昨季すでに22試合に出場している。ともに立派なチームの主力だ。

名古屋グランパスの右サイドバックを務める成瀬竣平名古屋グランパスの右サイドバックを務める成瀬竣平 単純な数の比較で言えば、攻撃的な選手のほうが多いのは事実だが、ポジションごとに見ても、これといった穴がない。どのポジションにもJ1で出場経験を重ねている選手がいることに、若い世代の底知れぬ可能性が感じられる。

 もちろん、今回名前を挙げた選手以外にも、活躍の場を増やしている選手はまだまだいる。

 例えば、FC東京の右サイドバック、DF中村拓海は、先ごろ海外移籍した室屋成(ハノーファー)に代わり、最近3試合連続で先発出場している。現段階での出場試合数は少ないが、ここに名を連ねてくるのも時間の問題だろう。

 この年代では、久保建英(ビジャレアル)は言うまでもなく、中村敬斗(シント・トロイデン)、菅原由勢(AZ)といった、いわば世代のトップランナーが、10代にしてすでに海を渡っている。

 それにもかかわらず、これだけ多くの選手がJ1で活躍しているのだから、いかに若い世代の層が厚いかがわかる。たまたま、ひとりやふたりの天才が出現したわけではないのだ。

 日本が初めてワールドカップに出場したのは1998年。当時はまだこの世に生まれてもいなかった世代が今、日本サッカーに新たな歴史を作ろうと、腕を磨いているのである。

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