2度の大ケガで苦しんだ本音を吐露。広島・佐々木翔はどう逆境をバネにしたか (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


「子どもたちの顔が見られたこともうれしかったですし、普段からこんな真面目にコーチや保護者の話を聞いているのかなっていうくらい、真剣に僕の声に耳を傾けてくれた。

 質問も考えてきてくれていたし、何かを吸収してやろうと思ってくれたんですかね。終わったあと、自分もニコニコが止まらなかった」

 クラブとしても、佐々木が提案した企画を発展させ、継続している。

 彼らだけでなく、みんなが自粛した生活を送り、我慢を強いられている今だからこそ、自身の苦い経験や、それをいかに乗り越えたかを教えてほしい----。そう伝えると、「話をもらった時、僕こそ適任だと思ったんですよね」と返してくれた。

 佐々木が挙げたのは、大ケガを負った時期についてだった。

 サッカー選手にとってはキャリアを左右しかねないと言われる、ひざの前十字じん帯を、佐々木は2016年と2017年の2度、立て続けに断裂している。

「僕が一番苦しかったのは、間違いなく右ひざ前十字じん帯を負傷したときですね。2回やりましたけど、ひとつのケガでサッカーができない状況が長く続いたというのは、めちゃめちゃ苦しかった」

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