2020.03.21

セクシーフットボールの野洲。
楠神順平が自らのスーパープレーを語る

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

2020年のセクシーフットボール 野洲高校メンバーは今
楠神順平(1)  (2)はこちら>>

今年の頭に行なわれた全国高校サッカー選手権大会で、個々のスキルを生かした静岡学園が優勝したのは記憶に新しい。そして今から14年前、同じように卓越したボールテクニックとコンビネーションによる「セクシーフットボール」で、全国制覇を成し遂げたのが、滋賀県の野洲高校だった。ファンの熱狂を呼んだあのサッカーを当時のメンバーに聞く。昨年末の第1弾に続き、今回から第2シリーズを掲載する。

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 第84回全国高校サッカー選手権で優勝した、野洲高校の快進撃の狼煙となるゴールは、楠神順平のスーパープレーから生まれた。

14年前に野洲高校で全国優勝。右サイドのドリブラーとして活躍した楠神順平「あんなプレー、中高の6年間で1回だけっすよ」

 楠神は、照れた口調でそう振り返る。

 楠神が言う「あんなプレー」とは、初戦の修徳高校戦で見せたプレーのことだ。いや、魅せたと書いたほうが適切かもしれない。

 前半24分のことだった。敵陣でのフリーキックから、キャプテンの金本竜市が精度の高いロングパスを送る。右サイドに張っていた楠神は、自分のもとに飛んでくるボールと、正面から寄せてくる修徳の選手を瞬時にとらえると、ワンタッチで相手の左側にボールを通し、自分は反対側を抜けていった。いわゆる「裏街道」と呼ばれるプレーだ。