2019.08.05

横浜F・マリノスは、いまの魅力を
失うことなく「本物」になれるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 J1第21節、横浜F・マリノスはホームで清水エスパルスと対戦し、0-1で敗れた。各チームの対戦がふた回り目に入った第18節以降、3連勝と負けなしだった横浜FMは、これが後半戦初黒星である。

清水エスパルスに0-1で敗れた横浜F・マリノスだが... 横浜FMは今季2度の3連勝があるが、4連勝を阻まれた相手はいずれも清水。首位をうかがおうかという横浜FMが、J2降格危機からの脱出に必死な清水に、ことごとく勢いを削がれているのだから、不思議な相性の悪さを感じさせる。

「準備してきたとおりの展開になった。(横浜FMの攻撃に対して)中央を閉じることを必死でやった成果。失点をゼロに抑えたことが、この勝ち点につながった」

 清水の篠田善之監督がそう語ったように、清水が粘り強くボールにプレッシャーをかけ続け、横浜FMの攻撃を封じたのは確かである。決勝ゴールにしても、ハーフウェーライン付近で奪ったボールを、1本のパスで前線につなぐ、典型的なショートカウンターで奪ったものだ。

 結果が出た今となっては、横浜FMが清水にしてやられた試合、ということになるのかもしれない。当然、横浜FMの選手の口からは反省の弁が漏れる。

「(ボールを)回せていたが、いつもよりチャンスが少なかった。工夫が足りなかったし、相手陣内に入ってからミスが多かった」(MF扇原貴宏)

「前線での崩しの意識を統一しないと。どう崩すのかというプランが、なかなか生まれなかった」(MF三好康児)

 しかし、勝った清水の選手からも、「自分たちがボールを持つ時間を増やさないと厳しい」という声が聞かれたように、90分間を通して、ほぼ完全にボールを支配し続けたのは、横浜FMのほうだった。

 しかも、ただ”ボールを持たされていた”わけではなく、清水が必死で閉じていたはずの中央をこじ開け、何度か決定的なチャンスも作り出している。

 GK朴一圭のプレーエリアは、攻守両面で一段と高くなっており、その分、フィールドプレーヤー全員がコンパクトな陣形を保ち、いい距離間で攻守を繰り返すことができた。横浜FMのサッカーは、前半戦に比べ、質が高くなっているのは間違いなく、アンジェ・ポステコグルー監督の理想に近づいているはずだ。