誤審は関係ない。浦和レッズの問題は
ゴールの匂いが感じられないこと (2ページ目)
浦和にとっては不運が重なった。84分に与えたPKも、ミスジャッジだった。三好康児の放ったシュートは、エリア内で岩波拓也の手に当たったと判断された。しかし、これも映像を見れば、あごに当たっていたことが確認できる。ふたつの誤審が浦和にダメージを与えたのは確かだった。
最終スコアは1−3。つまり、このミスジャッジがなければ、1−1の引き分けに終わっていたということになる。
誤審により、浦和が勝ち点2を失った――。
見出しを立てれば、そういうことになるだろう。しかし、内容を精査すれば、そうとも言えない。誤審がなくとも、浦和は横浜FMに敗れていただろう。それほどまでに、両者の間には歴然たる完成度の差が横たわっていた。
とりわけ苦しかったのは、前半だ。ほぼ一方的にボールを支配され、後方でしのぐのが精一杯。前にボールを運ぼうとしても、横浜FMの鋭いプレスにつぶされて、再び守勢を余儀なくされる。攻撃の策は裏を狙ったフィードを送り込むことしかなかったが、高い位置を保つ相手GKに、あっさりとクリアされてしまう。
それでも、防戦一方となりながら身体を張ってしのぎ、一発のフィードからチャンスが生まれる場面もあった。前半を無失点で終えていれば、また違った展開もあり得たかもしれない。
ところが38分、橋岡大樹が足を滑らせ、危険な位置でボールを奪われると、遠藤に先制ゴールを奪われてしまう。
「押し込まれながらも、じれずに守備ができていたと思うので、あの失点が難しくしてしまったかなと思います」
宇賀神が振り返ったように、前半のうちに先制点を与えてしまったことが、何より痛恨事だった。
後半に入ると、引いて構えるだけでなく、リスクを負って攻撃するシーンも増えてくる。しかし、今度は甘くなった背後のスペースを突かれて、カウンターから多くのピンチを招いた。問題の2点目も、完全にDFラインの裏を突かれたもの。遠藤が正確に枠を射抜いていれば、間違いなく1点ものの場面だった。
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