2019.05.23

J王者川崎にも身につけてほしい、
鹿島、浦和のACLにかける「熱量」

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Imaginechina/AFLO

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグが終了。Jリーグ勢(川崎フロンターレ、サンフレッチェ広島、鹿島アントラーズ、浦和レッズ)は、川崎以外の3チームが突破に成功。来月行なわれる決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)に駒を進めることになった。

 21日と22日に行なわれたグループリーグ最終節(第6節)。すでにグループリーグ通過を決めている広島以外の3チームには、絶対に落とせない大一番となった。

 E組の鹿島(2位)対山東魯能(中国/1位)戦では、鹿島に引き分け以上の結果が求められていた。鹿島が敗れ、慶南FC(韓国/3位)対タクジム(マレーシア/4位)の対決で慶南が勝利すれば、両者の順位は入れ替わる――そんな状況下で試合は始まった。

 ところが開始10分。鹿島は山東に先制ゴールを許す。左CKから、ジウ(ブラジル代表、193cm)にファーサイドからヘッドで折り返しを許し、フェライニ(ベルギー代表、194cm)に真ん中で押し込まれるという、防ぎようのない高度な空中戦に屈することになった。

 すでに首位通過を決めていた山東にとって、この一戦は事実上の消化試合だった。そのうえ先制ゴールを奪うことにも成功した。というわけで、後ろに引いて守った。鹿島はボールを7割以上持ち続けることになった。

 こうなると点はむしろ入りにくくなる。だが、山東にもプライドがあるのか、後半は網を掛ける位置を上げた。鹿島にとって前半より、前に進みにくい状況になった。鹿島が危うく見え始めた。

 そこで大岩剛監督は手を打った。後半11分、永木亮太に代えて山本脩斗を投入。さらにその7分後、中村充孝に代え伊藤翔を投入した。右サイドバック(SB)同士の交代と、右サイドハーフとセンターフォワードを入れ替える戦術的交代だ。これがズバリ的中した。

山東魯能戦で2ゴールを決めた伊藤翔(鹿島アントラーズ)「永木が悪かったわけではない」と試合後、大岩監督は語ったが、山本が登場し、ほどなくするとこの交代がプラスに作用していることが鮮明になった。クレバーなベテランの登場で、鹿島のサッカーはこれを機にグッと落ち着いた。しかも山本はSBなのにヘディングが強い。